「Wさんの誕生日は3月7日でしたよね」とJタウンネットのK編集長が微笑みながら記者に語りかけてきたのは2月某日だった。K編集長がプレゼントをくれるというのだろうか......。訝しむ私にK編集長はこう続ける。

「じつはWさんと同じ日に生まれた施設で、『EDGE THE HARUKAS(エッジ・ザ・ハルカス)』という日本初のアトラクションが体験できるそうなんですよ。ぜひ体験会に参加してみませんか」

K編集長の粋な図らいを断るわけにはいかない。早速記者が向かったのは2018年3月7日で開業5年目を迎える大阪市阿倍野区の「あべのハルカス」だ。日本で一番高いビルで一体どんなアトラクションが楽しめるのだろうか。

地上300メートルってどんな感じかわかります?

「あべのハルカス」に到着した記者が案内されたのは、60階にある展望台フロア「ハルカス300」だ。地上300メートルの高さからの眺めは絶景だ。生憎の曇り空だったものの、ミニチュアのような大阪の街並みを見るのはなかなか爽快で、ワクワクする。

「大仙古墳もうっすら見える」などと感動していた記者に、体験会を主催する近鉄不動産の担当者から衝撃の説明が行われる。

「これから体験していただくエッジ・ザ・ハルカスは、ビルの最頂端部外周にあるガラスの上に設置されたデッキの上を、命綱を装着して歩くアトラクションです。屋外で地上300メートルから真下を見ることができる、スリルと絶景を味わえるアトラクションは日本初となります」

あのデッキの上から身を乗り出せる! 楽しそう!!!

「デッキの上で命綱?」と自分が置かれた状況を整理している記者はヘリポートへと案内され、体験会が始まった。スタッフ(青いウェア)に連れられて5人の参加者たち(赤いウェア)がデッキ上に登っていく。そしてデッキの上で身を乗り出したり背中を反ったりと、普通なら300メートルの高さでは絶対にできないようなスリル満点の行為を楽しむことができるというわけだ。


わー楽しそう(棒)


前に身を乗り出したり


背中を向けて反ってみたり

完全に理解した記者に、担当者から声がかけられた。

「それでは早速向かいましょう」

ヘリポートの下に設けられたエッジ・ザ・ハルカスの準備スペースに向かう。アトラクション利用者は専用のユニフォームを着用し、ハーネスと車輪状の安全ベルトを装着する。腕時計やスマートフォンなどデッキ上で落下する可能性があるものはすべて取り出して預ける必要があり、メガネは専用の落下防止バンドで固定しなければいけない。

スマホがないと折角上がっても記念撮影ができない、と心配する必要はない。デッキ上でスタッフによって記念写真を撮影してもらうことができ、終了後にプリントしたものとデータを受け取れる。


そう記者は高いところが大好きなのだ!


高いところが大好き...

ハーネスに固定された安全ベルトは、デッキに上がる階段の手すりに並行して設置された筒状のレールに車輪を通しておき、手で動かしながら進む。


高......あべの...

さらにデッキ上には命綱が固定されており、安全ベルトとは別にハーネスを装着する。アトラクションの性質上当然ではあるが、安全性への配慮はかなりしっかりとされていると感じた。


記者の腰が引けて写真の位置が低いわけではない

K編集長の笑顔を思い浮かべながらデッキへと上がった記者だが、ここに至るまでに高所からの眺めを十分に見ていたせいか、思ったほど「怖い」という感覚はなかった。考えてみれば安全ベルトと命綱を取りつけているわけで、よほどの無茶をしない限り何かが起きようもない。


結構躊躇なく身を乗り出す体験会参加者たち


身を乗り出すと真下の街並みがくっきりと


皆さんホント躊躇なく反ったりしてました

展望フロアからも確かに絶景は楽しめるのだが、ガラス越しではない景色はまた別格だ。晴れているときは淡路島までくっきり見えるという。高いところが苦手という人にはオススメしないが、多少のスリルは問題ないという人なら、ぜひとも味わっていただきたい絶景だった。


大仙古墳もうっすら見えているのがおわかりいただけるだろうか

エッジ・ザ・ハルカスの開始日は3月7日。ハルカス300から移動するため、まずは展望台への入場券を購入し、別途アトラクション参加料金1000円(記念写真代込み)が必要となる。

また、身長による利用制限があり、145センチ以下もしくは200センチ以上の人は参加できないので注意が必要だ。


疲れ切った記者をねぎらってくれたハルカス300のキャラクター、あべのべあ