あなたの代わりに、あなたの名前で小説書きます ネット新ビジネスが話題
自分の特技を売ることができるサイト「ココナラ」。プロ、アマ問わず、美容やファッションのアドバイス、生活提案、占いなど様々な「商品」が並んでいる。最近では激安価格でイラストを請け負う主婦が話題になった。
そして今、ネットで話題になっているのが小説やシナリオのゴーストライターだ。過去に自分が書いた作品と、新しい作品のアイディアを提示すれば、依頼者の作風に近付いた「新作」が執筆され、依頼者の名前でネット公開ができるのだという。
知名度をネットで上げ同人誌の販売を促進させる
「シナリオ・小説のゴーストライト承ります」―――そんな看板を「ココナラ」に掲げた女性はSFL(えすえふえる)さんだ。以前に知人のゴーストライターをしたことがあり、その反響が大きかったため、需要がありそうだとサービスを開始することにしたのだという。このサービスのポイントは、依頼主の知名度を上げ、依頼主が発行する同人誌の売り上げアップにつなげることだ。知名度が低いのはネットに無料公開している小説の更新頻度が少ないことも原因と考え、更新頻度を上げるために執筆を依頼してほしいとSFLさんは呼び掛けている。そのためゴーストライターを請け負う条件として投稿サイト「pixiv(ピクシブ)」などの無料公開サイトに限る。著作権は譲渡される。ただし、ネット上での知名度を上げることが目的のため、無料・有料に関らず、印刷して配布することは禁じている。
依頼主は過去の自分の作品と、「新作」のストーリー展開などを伝えSFLさんは作品のプロットを作る。依頼主がそのプロットに納得した後に執筆に入る。値段は5000文字以下の短編〜中編小説で5000円。追加2500文字で2000円、5000文字で4000円というオプションが付いている。
J-CASTニュースは17年12月21日にSFLさんに話を聞いてみた。
映画などの原作になる場合は依頼主の判断に任せる
SFLさんの本業は会社所属のライター。本業の息抜きとして趣味の執筆をすることが多く、そうした時間を使ってサービスを開始し本業と両立させていくのだそうだ。昨今は同人誌に寄稿する人に限らず、商業作家もTwitterやpixivでPRが求められるようになっていて、そうしたマーケティング戦略として利用してもらえれば、と考えているという。そして、
「著作権を譲渡しながら、紙媒体での配布禁止はおかしいとのご指摘も受けました」
とも打ち明ける。考え方として、譲渡しているのは「人格的著作権」で、「財産的著作権」は譲渡しない、という方針だからだという。ただし、紙媒体がNGなのであり、メディアミックス展開があり、仮にSFLさんがゴーストライトした作品が映画やドラマ、マンガなどの原作になるような場合は、依頼主の判断に任せる、としている。17年12月22日現在で、2人からゴーストライトの依頼が来ている。