人の声は骨格や体格によって決定されます。そのため、声質は生まれつきで人によって全く異なり、声の波形分析結果が犯罪捜査の決め手になることも。「リアチェンvoice〜ジュラ紀版」は、業務用の機材である「リアチェンvoice」から機械学習機能を省略し、iPhone上であらかじめ登録されている声質に声を変換させることが可能なiOS向けアプリです。基本機能は無料で、対象はiOS9.0以降のiPhone・iPad・iPod touchですが、iPhone 6S以降推奨となっています。

リアチェンvoice〜ジュラ紀版 | クリムゾンテクノロジー株式会社

https://crimsontech.jp/apps/rcvoice/

リアチェンvoice〜ジュラ紀版を App Store で



PCで動く業務用の「リアチェンvoice」がどんな性能かは以下のデモ動画を見るとよく分かります。一般的なボイスチェンジャーは声のピッチや響きを事前にチューニングしてから変換しますが、「リアチェンvoice」はあらかじめボイスが登録されており、入力された音声をその場で登録されたボイスに変換するとのこと。

リアチェンvoice デモ動画 - YouTube

◆「リアチェンvoice〜ジュラ紀版」のインストール&起動

「入手」をタップしてインストールします。



起動すると「くりむ蔵」がリアチェンvoiceについて説明を始めるので「次へ」をタップ。



ボイスチェンジャー機能についての説明が表示されるので「次へ」をタップします。



ボイスチェンジャー機能の説明が続きます。「次へ」をタップ。



そして画面の使い方が説明されます。「次へ」をタップ。



続いて画面の使い方が説明されるので「次へ」をタップします。



次に「くりむ蔵」は無料で使える変換ボイスという説明が出たら「次へ」をタップ。



そして利用規約をタップして読んだら「同意する」をタップします。利用規約を読まないと「同意する」を選択できないようになっています。



利用規約に同意すると声の高低を尋ねられるので、自分の声に合わせて選択。



リアチェンvoiceがマイクへのアクセスを求めてくるので、「OK」をタップ。これでアプリを使えるようになりました。



◆実際に使ってみる

まずは録音した音声を変換してみます。音を録音するには、真ん中のマイクアイコンをタップします。



以下のムービーを見ると、実際に録音した音声をくりむ蔵の声に変換した様子が分かります。くりむ蔵の声は、はきはきとした少年の声といった印象です。

「リアチェンvoice〜ジュラ紀版」でくりむ蔵の声に変換してみた - YouTube

録音した音声は名前をつけて保存が可能。



また下部一番右の「録音リスト」をタップすれば、今までの録音データを参照できます。



また、録音アイコンの右にあるスピーカーアイコンをタップすると、マイクで拾った音声がリアルタイムで変換されてスピーカーから流れます。声をリアルタイムで変換した様子は以下のムービーで確認できます。ただし、音量によってはスピーカーの音をマイクが拾ってしまいハウリングを起こしてしまうこともあるので、リアルタイムで声を変換する際はマイクとスピーカーをそれぞれ外付け接続できる環境を用意した方がよさげです。

「リアチェンvoice〜ジュラ紀版」で声をリアルタイムに変換してみた - YouTube

「ボイスライブラリ」をタップすると、利用できるボイスの一覧が表示されます。基本ボイスとしてくりむ蔵のボイスを無料で利用できますが、他のボイスを追加購入したいと思った時はライブラリの右上にある矢印をタップします。



ボイス購入の画面が表示されるので、欲しいボイスの「購入する」をタップ。追加ボイスは3種類で、東北ずんこ(CV佐藤聡美)と声乃ツバサ(CV小岩井ことり)のボイスは税込3800円で、キューティ・エイリアン ペロロのボイスは税込2900円で利用可能です。



ボイスの入れ替えは「ボイスライブラリ」で、使いたいボイスの「この声にチェンジする」をタップすればOK。



以下のムービーが編集部員の声を東北ずんこの声に変換した様子。声を担当するのは声優の佐藤聡美さんです。女の子の声なので声の音程は高く、思ったよりも明るくはきはきとした声質になったという印象を受けます。一方でどうしても細かくノイズが入ってしまい、いかにも合成音声といった機械的な響きもします。

「リアチェンvoice〜ジュラ紀版」で東北ずんこ(CV佐藤聡美)の声に変換してみた - YouTube

また、声乃ツバサの声に変換した様子は以下のムービーで確認可能。声を担当するのは同じく声優の小岩井ことりさん。東北ずんこのボイスよりも少しハスキーになっておとなしめといった印象です。編集部員の声質との相性があまりよくないのか、ノイズが少し大きめになっています。

「リアチェンvoice〜ジュラ紀版」で声乃ツバサ(CV小岩井ことり)の声に変換してみた - YouTube

キューティ・エイリアン ペロロの声は中低音ボイスで、男性編集部員の声だとあまり大きな変化は感じられませんでした。

「リアチェンvoice〜ジュラ紀版」でキューティ・エイリアン ペロロの声に変換してみた - YouTube

「リアチェンvoice〜ジュラ紀版」が他のボイスチェンジャー機能と違うところは、あらかじめ登録されていたボイスの波形に近づけるという点です。そこで4人の男性編集部員で「おはようございます」と録音し、誰が一番かわいらしい声になるか比べてみました。実際に4人で録音してみた結果は以下のムービーで確認が可能です。

「リアチェンvoice〜ジュラ紀版」で、4人の声を声乃ツバサ(CV小岩井ことり)ボイスに変換して比較してみた - YouTube

編集部員AとBはノイズが多く混ざっていかにも機械音声のように変換されたのに対して、編集部員CとDの声は変換してもノイズはそれほど大きくありません。CやDのほうがA・Bのボイスよりもなめらかに聞こえて「目を閉じて聴けば女の子っぽく思えるかも」という意見もありました。登録されていたボイスの波形に近づけるといっても、元の声の高さや息の混ぜ方、マイクの位置によって、ボイスの変換結果は大きく変わると言えます。

◆まとめ

実際にボイスチェンジャー機能を使って声を変換してみると、確かにしっかり声が変わっています。操作もわかりやすく、簡単にボイスチェンジャー機能を楽しむことができました。しかし「リアチェンvoice〜ジュラ紀版」はあくまでも機械学習機能を省略した簡易版であるためか、どうしてもロボットの機械音声のような響きになってしまいやすく、業務用「リアチェンvoice」のようなスムーズなボイスチェンジは難しく感じました。アプリに声を変換してもらうのではなく、アプリにスムーズに変換してもらうためにこちらから声を整えていくことが必要なので、単なるボイスチェンジャーアプリというよりも「プロの声優の声を使う楽器」といったイメージ。ボイスの追加も今後予定されているとのことで、時間をかけて変換や音声入力のコツをつかんで精度を上げれば、お気に入りの声優の声で歌ってもらったり会話したりという使い方も十分期待できます。