森岡亮太(撮影:佐野美樹/PICSPORT)

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3年ぶりに日本代表に召集された森岡亮太に与えられた時間は、アディショナルタイムの5分を含めた25分間だった。70分、1-3とリードされたヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、カゼミーロを抑える役だった井手口陽介に代え、トップ下に森岡を送り込んだ。

「個人的には……悔しかったですね、やっぱり。出てからもうちょっと得点機も作りたかったですし。出るときはもう本当に追いついてやろうという気持ちだったので、それが達成できなかったのは悔しいです」

「(自分の特長を)少しは出せたかと思うんですけど、もうちょっとボール近くの部分で何か作りたかったですね。いいシチュエーションを」

「守備はやっぱりキツかったですね。向こうは余裕を持ってボールをまわしてましたし、その中で前からガンガンプレスをかけるというのは。でも剥がされて(かわされて)いくと、どうしても(守備で)下がらなければいけなかったりとか、そういうキツさはありました」

それでも、最後は浅野拓磨のミスキックで得点にはならなかったものの、後半アディショナルタイムには酒井宏樹とのコンビネーションで右サイドを完全に崩すこともできた。

「あそこの一瞬は宏樹君と2対1のいい形ができて、崩す形もできましたし、最後は惜しかったですけど、ああいう形をブラジル相手にできるというのはどのレベルの相手にもできるということだから。それをもうちょっと作っていきたいですね」

森岡にとってブラジルと対戦するのは、ハビエル・アギーレ監督時代の2014年10月以来だった。0-4で敗戦を喫した当時と比べて、自分の成長ぶりはどう感じたのだろうか。

「手応えは、まあ3年前のブラジル戦よりもできたと思います。あのときはブラジルがピッチにいるだけでプレッシャーを感じる部分がありましたが、今日はそういうことはありませんでした。外国人を相手にするのに慣れたのか、あのレベル相手にも自分のプレーが出せる自信というのが、前よりも付いたと思います」

格上の相手との戦いが続くワールドカップでは、守備よりも攻撃に特長のある森岡の使い方は、今日と同じく最後にゴールを狙いたい場面だろう。その意味では、この日のプレーはまだ大きなアピールにはなっていないはずだ。

次のベルギー戦は、ベルギーのワースラント・ベレフェンで活躍する森岡にとって、今日よりもプレーしやすい相手かもしれない。そこでいい結果を残すことが、一度は失った代表の座を取り戻す、残り少ないチャンスかもしれない。

【日本蹴球合同会社/森雅史】