人類が進める火星探査・移住計画を後押しすべく、アラブ首長国連邦がドバイの砂漠地帯にドームですっぽり覆われた火星シミュレーション都市を建設する計画を明らかにしました。

Dubai News | News Centre | Dubai Government Media Office

http://mediaoffice.ae/en/media-center/news/26/9/2017/mars.aspx

Simulated Mars settlement will be built near Dubai, spanning 1.9 million square feet - BGR

http://bgr.com/2017/09/28/mars-city-project-dubai-settlement/

「Mars Science City Project(マーズ・サイエンス・シティ・プロジェクト)」と名付けられた計画では、ドバイ近郊の砂漠の中に火星移住にまつわる研究を行う人工都市を建設することを目指しているとのこと。総面積190万平方フィート(約17.7ヘクタール:東京ドーム3.8個分)という敷地に火星における住環境を再現する施設を作り、いくつもの透明ドームで覆うプランが立てられています。



ドーム内には実際に人が生活できる環境を作るほか、荒れた土地での農耕栽培やエネルギーおよび水の循環システムなどの研究を将来的に実施することが予定されています。



また、施設内にはこれまでの人類の宇宙開発の成果を展示するミュージアムが建設されるほか、次の宇宙開発を担う若い世代に対する教育を行う施設も作られるとのこと。ミュージアムの建物は、砂漠の砂を材料とする3Dプリンターで「プリント」されるそうです。



この計画に対する予算として、UAEでは1億5000万ドル(約170億円)を見込んでいるとのことですが、規模が大きすぎるためか、完成に至るタイムラインはまだ決定されていない模様。ドバイ首長国の首長であるムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム氏は声明の中で、「UAEは、人類に利益をもたらすテクノロジーの開発に対する国際協力の構築を目指すとともに、今後の数世代により良い将来をもたらす基礎を築くことを目指している。また、UAEにおける科学のリーダーシップに対する情熱を集結させ、地球での生活の向上への寄与と、全地球が挑む問題に対する革新的なソリューションの開発を目指している。UAEは世界が直面する急激な変化に対するビジョンと理解を示す国家である。UAEは宇宙開拓が秘める可能性を信じており、世界中のパートナーやリーダーたちと協力することで、この計画による科学的成果と、地球での生活の質を改良するために必要なことを結びつけて役立てることを目指している」とビジョンを語っています。