サウジアラビア戦では不発に終わったが、岡崎は再びプレミアリーグで自身のプレーに磨きをかける。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 サウジアラビア戦で、3月28日のタイ戦以来4試合ぶりのスタメン出場となった岡崎慎司だったが、そのタイ戦以来のゴールとはならなかった。
「基本的には勝ちに行ったし、プラン通りにもできていた。先制されて引かれた時は攻撃が雑になってしまった。個人的にはゴールを取れればOKだった。取れなければチームを勝たせたかったが、3回くらいあったチャンスを決めきれなかった。そこを決めるのが自分にとって最大の目標だった」
 
 サウジ戦をこう振り返っていた岡崎は、「(リードした)相手が引いてきた時に課題が出た。なんとも言えないゲームだった」と語っているが、では攻撃面に感じた課題とは何なのか?
 
「オーストラリア戦もそうだったけど、自分たちが引いて守っている時は良いサッカーができている。問題はリードされた時に、なんとなく回してサイドに追いやられて、という形が多かった。暑さやコンディション(の悪さ)もあって前に行くサッカーがなかなかできなかったなかでの課題もある。ロシアでは引いて守って来るチームもあると思う」
 
 今の「カウンター」型のサッカーが研究されれば、当然相手も自陣に「引いて守る」という選択をする可能性はあるだろう。狙いとする縦に速い攻撃を封じられれば、「サイドに追いやられて」という岡崎の懸念は的を射ているとも言える。だが、それでも「個人的には点を取るということにフォーカスしたい」と、自らはチームのサッカースタイルに寄らず、ゴールゲッターとしてのクオリティを磨き上げていくつもりだ。
 
 しかし、チームとしてワールドカップ出場を決めたものの、必ず出場できるという保証はない。今後は熾烈なポジション争いが待っている。もちろん、サウジアラビア戦はその第一歩となったわけだが、今回は他にも若手や新戦力が複数招集されたなかで、経験豊富な自身が先発に選ばれたことにいかなる意義を見出しているのか。取材陣からは次のような質問が飛んだ。
 
――本田選手、岡崎選手の先発起用にはベテランの力を示してほしいという意味もあったと思うが?
 
 これに対して、岡崎は取材陣を窘めるように、こう答える。
「そういう扱いをされるのは、僕は好きじゃない。ベテランだろうが、若い奴だろうが、チャンスをもらったと思う。最後に生き残るのは、ベテランだろうと、若い奴であろうと、ワールドカップで力を発揮できると判断された奴ら。そこに関しては今日ではっきりするというよりは、この1年でどうやっていくかだと思う。僕のなかでは、やることは明確になっている。ゴールというクオリティにこだわっていきたい」
 
 代表のサバイバルにベテランも若手も関係ない。ワールドカップという至高の舞台に再び立つために、岡崎は真摯に自分を高めていくだけだ。

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