宿題代行サービスの実態。観察のための装置は手作り。まさに手間を金で買う感じ……。

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 読書感想文に自由研究──そんな毎年悩まされる“夏休みの宿題”の数々をターゲットに、新たなビジネスが誕生。なんと宿題を代行してくれるというのだ。毎夏200件超の依頼がくるなど、大盛況ぶりをみせている“宿題代行サービス”の実態に迫ってみた。

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「自由研究の工作代行は今年3万円に値上げしました。1日がかりで大変なんですよ」

 そう明かすのは『宿題代行屋Q』代表の板津知直さん。

 7人体制で毎夏、200件以上をこなす。6月から依頼が入り始め、7月下旬には手いっぱいで受け付け終了。読書感想文の依頼が最多で、自由研究は全体の3割ほど。模型の飛行機や自作のガチャガチャが人気だが、押し花やクイズ本づくりなど特殊な依頼もあるという。

 観察や研究レポートなら5〜6枚で1万5000円。学校で1学期に習った内容を尋ね、先生受けがよさそうな、発展学習につながるものを提案する。

 納品後は子ども本人が書き直すことが条件だ。

「小学3年生から中学3年生くらいの母親からの依頼が9割です。“時間の無駄”“宿題の量が多すぎる”など、高学歴でお受験志向の母親からの相談が圧倒的に多いですね」

 前職が塾講師だった板津さんは、こんな疑問を抱いていた。

「朝9時から夜22時まで塾に通い、その後で学校の宿題。私立の場合、毎日やっても間に合わない量で、無駄な宿題が多すぎる。本当に全部やらせる必要があるんでしょうか」

〈毎年私(母)が代わりにやっていたけどネタが尽きた〉

 との依頼を受け、スプラウトの観察をしているのは『宿題代行MK』の持丸恵太さん。

 日陰、日なた、冷蔵庫の3か所で発芽を観察し、毎日3回の水やりと撮影、ノートへの記録を欠かさない。

「ネットからの盗作で仕上げる代行業者も多いけど、学校の先生にバレた事例もあると聞くので、オリジナルを心がけています。最後は子どもに書き直してもらうのがベストですが、手書きの50音を送ってもらい、その字をまねて仕上げるときもあり、さすがに多少の後ろめたさはありますね」

 宿題をめぐる親から子への愛情ならぬ同情が、新たなビジネスを根づかせている。