メジャー歴代最多18勝の帝王、ジャック・ニクラス【写真:Getty Images】

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メジャー歴代最多18勝の「帝王」ニクラス氏「タイガーは友達、回復を祈りたい」

 男子プロゴルフタイガー・ウッズが自宅のある米フロリダ州で飲酒または薬物の影響下で運転した疑いで逮捕された。メジャー通算14勝を誇る、かつてのスーパースターの逮捕劇。世界中に大きな衝撃を与えたが、メジャー歴代最多18勝の帝王、ジャック・ニクラス(アメリカ)ら、ゴルフ界の名手がウッズに救いの手を差し伸べている。米メディア「CNN」が報じた。

 ウッズは29日に違法運転の疑いで逮捕された。警察が公表した逮捕直後の覇気のない、よどんだ表情の顔写真は一報とともに世界中にショックを与えた。

 一夜明けた30日には逮捕当時、運転席で眠った状態で発見。検査の結果、アルコール反応が出なかったことが報じられたが、世間を騒がせた今回の事件はゴルフ界から同情の声が上がっていた。その一人が「帝王」と呼ばれた伝説のプレーヤーだ。

「タイガーについては気の毒に思うよ。タイガーは友達なんだ。彼はゴルフという競技に置いて偉大な存在であり続けた。彼は我々全員の助けを必要としていると思う。彼の回復を祈りたい」

 記事によると、ニクラス氏はこのように語り、ゴルフ界を牽引してきた後継者の回復を心から祈っていた。

ウッズと共闘した盟友が待つ「真実」…「実際に何が起きたのか究明を」

 一方、元世界ランク2位で昨年、団体戦で行われるライダーカップでウッズを支える副キャプテンを務めたジム・フューリク(アメリカ)は「真実の究明」を求めたという。

「私のまず最初の反応は心配でした。今はこのストーリーの真実と実際に何が起きたのか、究明を待っています」

 こう述べた上でウッズとの思い出を振り返り、盟友が無事であることを願った。

「自分のキャリアを通じて、タイガーとはたくさんの時間を過ごしてきました。最近ではライダーカップでもずっと一緒でした。本当に何よりも心配です。彼が無事であることを祈ります。真実が何なのか知りたい。そして、全てが問題ないことを願っています」

 米賞金ランキング1位のダスティン・ジョンソン(アメリカ)は2014年に自分自身を変えるため、1年間ツアーから離れた経緯を持ち、戦線離脱中に逮捕劇に見舞われたウッズについて、本人と家族のことを慮ったという。

ジョンソンはウッズの「無事」を望む「全てがうまくいくことを願う」

「間違いなく、我々は彼と彼の家族を心配している。対応が難しい状況だけど、みんなの思いは彼と家族の下にある。全てがうまくいくことを願っています」

 このように話し、最終日に爆発的な追い上げを見せる「タイガーチャージ」とともに圧倒的なカリスマを誇った英雄の復活をゴルフ界は心待ちにしていた。

 ウッズを巡っては釈放後に「皆さんに知っていただきたいのは、この件にアルコールは関係していないということです」と力説し、弁解していた。

「今回は、処方された薬が予期せぬ反応を示したということです。複数の薬がこれほど強く影響するとは思いもしませんでした」

 4月に腰の手術を受けていたウッズは処方薬の影響としたが、いずれにせよ、ニクラス氏ら復活を望むゴルフ界の人々に混乱を呼んだことは事実。彼らのためにも、再び、コース上での勇姿を届けるしかない。