『美味しんぼ』でもそんなところは誰も知らん「すいているのに相席」座談会
バッファロー吾郎A、せきしろ、上田誠(ヨーロッパ企画)が脚本を手掛ける『すいているのに相席』シリーズの新作公演『すいているのに相席5』が5月5、6日の2日間開催される。メンバー座談会後編では、さらに『相席』のもつほかにはない魅力をさぐる。前編はこちら。
──『すいているのに相席』って、思いがけない題材がベースになっているコントが多くありますよね。観る前に予習をしておいたほうがいいことってあるでしょうか?
バッファロー吾郎A あー、予習か。うわー、するとしたら何やろ?
山脇唯 『相席1』のときに『美味しんぼ』のコントがけっこうあったんですよね。母が見に来るのでちょっと心配になって「お母さん、『美味しんぼ』わかる?」って聞いたら、「わかる」って(笑)。でも本当、そんなに詳しくはないはずなんですけどすごく楽しんでたんです。だから意外と知らなくても大丈夫なんだな、って思いました。
A 『美味しんぼ』でも、第1話の「水の産地まで書いてる!」ってところをコントにしてたしな。そんなん知ってる人でもわからへんよな(笑)。
高佐一慈 たしかに。わからなくてもちゃんと面白いんですよ。
──マンガもありますし、テレビ番組とか、芸能人のエピソードとか、題材は多岐にわたりますね。
A 僕とせきしろさんは46歳、上田(誠。ヨーロッパ企画)くんも40代手前だけど、かといってその世代のものだけでもないんですよね。けっこう最近のことを取り上げたりもするし。
せきしろ そう、毎回ばらばらなんだよね。
A でもたぶん共通するのは、世の中のメインストリートを走っていないものを題材にしているってところなんですよ。それはべつに意識して外してるわけじゃないんですけどね。それこそ、今回せきしろさんが「恋ダンスやる」って何度も言ってますけど、絶対本番には出てこないと思うんですよ。
せきしろ まだわからないよ!
A あとなんですかね、森友学園とか(笑)。世間はそっちをネタにするじゃないですか。でも『相席』はそうではない。
尾関高文 それはもう、ニュースペーパーさんになっちゃいますもんね(笑)。
せきしろ どんな題材を選ぶのか、僕らも書いてみるまでわからないんだよね。
──では『相席』シリーズを見たことのない人に向けて、おひとりずつ魅力を語っていただけますか。野田さんから。
アイアム野田 えーと、思いついた人からにしてもらってもいいですか?(笑)
──わかりました。じゃあ本間さん。
本間キッド そうですね……。
野田 (遮るように)あ、思いつきました! 僕は、この公演を見た人は幸せになって帰るっていう自信がありますよ。見た人がみんな、「ああ、いいもの見たー」って帰れるシステムのやつです。
尾関 『相席』が扱ってるものって……なんて言えばいいんだろう、芸能ネタっていうと安っぽく聞こえちゃうんですけど、森羅万象っていうと全部になっちゃうし。
山脇 森羅万象!
尾関 かといって時事ネタでもないんだよなあ。でも、みんなが知っているネタを、ない切り口で切るコント……。
野田 わかるよ、言いたいことはわかる。だいじょうぶ。
尾関 芸能から政治まで、あらゆるものをない切り口で切る、見たことのない面白さの舞台です!
山脇 私は、『相席』のコントは閉じてないな、ってすごく思います。3人の方が書いてくださる脚本にはいろんな種類の面白さが揃ってる。だから、誰が見てもハマるところが必ずあるんですよ。『相席5』にもなると、これまでを知らないと難しいのかな? と思われるかもしれないですけど、ぜんぜんそんなことはないので、気軽に見に来てほしいなーと思います。
高佐 世代の話もありましたけど、親世代の方はもちろん、ちっちゃいお子さんがきてもゲラゲラわらってたりして、意外と受け入れられるんですよね。人を傷つけない笑いです。
本間 僕は、何よりも僕の器用さを見てほしいです! それはもうカメレオンのように、いろんな状況にあわせて変化しますから。
野田 あ、もう一巡していいですか?
尾関 全員一巡するの(笑)?
野田 いや思い出したんですよ、『相席』の魅力。ずっと「あはははは!」って大笑いしてるのに、最後の方に急にふと、ホロッと来る感じがある。僕はそれの虜です。それだけ、書いといてください。
──では脚本のお二人からも、改めてこのシリーズの魅力を。
せきしろ 僕はA先生と一緒にやっていられる時間だけがあれば、それでいいんです。だから正直、お客さんのことをものすごく気にしたりはしていない。ただ、僕の書くものを面白いと思ってくれる子たちが見に来てくれたときに、「これでいいんだ」と思えるようにはしてます。「こいつがずっとしゃべってるだけでコントになるんだ、これだったら自分にもできるんじゃないか」と思えるようなものをつくってるつもりです。
高佐 若手芸人の中にも、『相席』を観て感化されて帰っていく人、多いですもんね。
A 僕、さっき「メインストリートを走ってない」って言いましたけど、かといって『相席』は、裏道でもないんですよ。どう言えばいいんかな、横道の細い通り。おじさんが一人でやってる帽子屋さんがあったり、「この本屋、大丈夫か?」って店があったり。そういう横道をずーっと行ってるイメージなんかな。でもその道はね……(大声で)まっっすぐですよ!
全員 (爆笑&拍手)
(釣木文恵)
『すいているのに相席5』
脚本:バッファロー吾郎A/せきしろ/上田誠(ヨーロッパ企画)
出演:高佐一慈(ザ・ギース)/尾関高文(ザ・ギース)/山脇唯/アイアム野田(鬼ヶ島)/バッファロー吾郎A/佐藤貴史/本間キッド(や団)
日時:2017年5月5日(祝・金)19:00、6日(土)14:00/18:00
会場:野方区民ホール
料金:前売¥3,500/当日¥4,000(税込・全席指定)チケットぴあにて一般発売中(Pコード456-342)
わからなくても楽しめる
──『すいているのに相席』って、思いがけない題材がベースになっているコントが多くありますよね。観る前に予習をしておいたほうがいいことってあるでしょうか?
バッファロー吾郎A あー、予習か。うわー、するとしたら何やろ?
山脇唯 『相席1』のときに『美味しんぼ』のコントがけっこうあったんですよね。母が見に来るのでちょっと心配になって「お母さん、『美味しんぼ』わかる?」って聞いたら、「わかる」って(笑)。でも本当、そんなに詳しくはないはずなんですけどすごく楽しんでたんです。だから意外と知らなくても大丈夫なんだな、って思いました。
A 『美味しんぼ』でも、第1話の「水の産地まで書いてる!」ってところをコントにしてたしな。そんなん知ってる人でもわからへんよな(笑)。
高佐一慈 たしかに。わからなくてもちゃんと面白いんですよ。
──マンガもありますし、テレビ番組とか、芸能人のエピソードとか、題材は多岐にわたりますね。
A 僕とせきしろさんは46歳、上田(誠。ヨーロッパ企画)くんも40代手前だけど、かといってその世代のものだけでもないんですよね。けっこう最近のことを取り上げたりもするし。
せきしろ そう、毎回ばらばらなんだよね。
A でもたぶん共通するのは、世の中のメインストリートを走っていないものを題材にしているってところなんですよ。それはべつに意識して外してるわけじゃないんですけどね。それこそ、今回せきしろさんが「恋ダンスやる」って何度も言ってますけど、絶対本番には出てこないと思うんですよ。
せきしろ まだわからないよ!
A あとなんですかね、森友学園とか(笑)。世間はそっちをネタにするじゃないですか。でも『相席』はそうではない。
尾関高文 それはもう、ニュースペーパーさんになっちゃいますもんね(笑)。
せきしろ どんな題材を選ぶのか、僕らも書いてみるまでわからないんだよね。
大笑いのあと「ホロッ」とくる、その虜
──では『相席』シリーズを見たことのない人に向けて、おひとりずつ魅力を語っていただけますか。野田さんから。
アイアム野田 えーと、思いついた人からにしてもらってもいいですか?(笑)
──わかりました。じゃあ本間さん。
本間キッド そうですね……。
野田 (遮るように)あ、思いつきました! 僕は、この公演を見た人は幸せになって帰るっていう自信がありますよ。見た人がみんな、「ああ、いいもの見たー」って帰れるシステムのやつです。
尾関 『相席』が扱ってるものって……なんて言えばいいんだろう、芸能ネタっていうと安っぽく聞こえちゃうんですけど、森羅万象っていうと全部になっちゃうし。
山脇 森羅万象!
尾関 かといって時事ネタでもないんだよなあ。でも、みんなが知っているネタを、ない切り口で切るコント……。
野田 わかるよ、言いたいことはわかる。だいじょうぶ。
尾関 芸能から政治まで、あらゆるものをない切り口で切る、見たことのない面白さの舞台です!
山脇 私は、『相席』のコントは閉じてないな、ってすごく思います。3人の方が書いてくださる脚本にはいろんな種類の面白さが揃ってる。だから、誰が見てもハマるところが必ずあるんですよ。『相席5』にもなると、これまでを知らないと難しいのかな? と思われるかもしれないですけど、ぜんぜんそんなことはないので、気軽に見に来てほしいなーと思います。
高佐 世代の話もありましたけど、親世代の方はもちろん、ちっちゃいお子さんがきてもゲラゲラわらってたりして、意外と受け入れられるんですよね。人を傷つけない笑いです。
本間 僕は、何よりも僕の器用さを見てほしいです! それはもうカメレオンのように、いろんな状況にあわせて変化しますから。
野田 あ、もう一巡していいですか?
尾関 全員一巡するの(笑)?
野田 いや思い出したんですよ、『相席』の魅力。ずっと「あはははは!」って大笑いしてるのに、最後の方に急にふと、ホロッと来る感じがある。僕はそれの虜です。それだけ、書いといてください。
──では脚本のお二人からも、改めてこのシリーズの魅力を。
せきしろ 僕はA先生と一緒にやっていられる時間だけがあれば、それでいいんです。だから正直、お客さんのことをものすごく気にしたりはしていない。ただ、僕の書くものを面白いと思ってくれる子たちが見に来てくれたときに、「これでいいんだ」と思えるようにはしてます。「こいつがずっとしゃべってるだけでコントになるんだ、これだったら自分にもできるんじゃないか」と思えるようなものをつくってるつもりです。
高佐 若手芸人の中にも、『相席』を観て感化されて帰っていく人、多いですもんね。
A 僕、さっき「メインストリートを走ってない」って言いましたけど、かといって『相席』は、裏道でもないんですよ。どう言えばいいんかな、横道の細い通り。おじさんが一人でやってる帽子屋さんがあったり、「この本屋、大丈夫か?」って店があったり。そういう横道をずーっと行ってるイメージなんかな。でもその道はね……(大声で)まっっすぐですよ!
全員 (爆笑&拍手)
(釣木文恵)
『すいているのに相席5』
脚本:バッファロー吾郎A/せきしろ/上田誠(ヨーロッパ企画)
出演:高佐一慈(ザ・ギース)/尾関高文(ザ・ギース)/山脇唯/アイアム野田(鬼ヶ島)/バッファロー吾郎A/佐藤貴史/本間キッド(や団)
日時:2017年5月5日(祝・金)19:00、6日(土)14:00/18:00
会場:野方区民ホール
料金:前売¥3,500/当日¥4,000(税込・全席指定)チケットぴあにて一般発売中(Pコード456-342)