経営戦略構文100選(仮)/構文13:コア事業再定義/伊藤 達夫
コア事業再定義とは自社の「本業」を定義しなおすことで再成長を狙う考え方。どうしても社内のケイパビリティ及び提供機能は自社のロジックで調整され、顧客にとっての意味合いである便益は減少していくことになる。顧客の便益から事業を定義しなおし、ケイパビリティ及び提供機能をそれに合わせて変革していくことで「止まらない成長」をもたらすとされている。ただ、「本業」や「本業周辺」の定義についてはいろいろな考え方があり、成長をもたらすには本業とは全く関係のない事業をやる必要があるという「イノベーション」の考え方も存在しているので、注意は必要。
おはようございます。伊藤です。
クリスマスが過ぎ去り、正月も過ぎ去り、バレンタインがやってきます。ええ、私は一人寂しく、もとい強く生きていこうと思っています。
そんなバレンタイン前にはコア事業再定義です。ココアではなく、コアです。ええ、疲れています・・・。稼働しすぎです・・・。ごめんなさい。
写真は何度もご登場いただいていますが、川村友歌さんです。「現役大学生でフリーモデルをやってます(^^)♪いつまでも初心を忘れず、新しい挑戦をたくさんしたいと思ってます♪皆様からのお仕事、お待ちしております(^O^☆。お問い合わせはxmasyk0519@gmail.com」という紹介文がぱくたそさんにはありますね。彼女へのお仕事の依頼はこちらまで。
メアドが「xmasyk」だったのできっと「クリスマス友歌」という意味なのだろうな、きっと、クリスマスにいい思い出があってこういうアドレスにするんだろうな、と思い、「リア充への妬みを爆発させて文章を書ける!」と思いまして選ばせていただきました。ええ、私にクリスマスにいい思い出なんてないですから!残念!!!
冗談はおいておいて、今日はコア事業再定義です。本当はコア事業のコアが写真のハートの飴のアナロジーでいいかなと思って、お菓子がバレンタインやホワイトデーのイメージとかぶっていいかな、と写真を選びました。コア事業というのは乱暴なイメージで言えば、ハートのようにその会社の真ん中にある事業のことです。
これまでの成長を支えて、自社のケイパビリティが確立されている事業であることが多いでしょうね。でも、それが儲からなくなってきます。いわゆるプロフィットプールが移動してしまったり、市場の成長率が落ちてきてしまったり、どのように認識されるかはケースバイケースですけどね。
利益が出る場所は移動します。バリューチェーン上で移動するので、プロフィットプールの移動に合わせて垂直統合なり水平分業なりの選択肢はあって、事業定義は変え続けないといけないのは宿命的ではあります。
ただね、顧客視点で見た時に、本当にそれって価値なんですかね?というポイントはある。コアな顧客に合わせて機能を発達させてきたはずなのに、マーケットがシュリンクしているように見える。
一般的な戦略/マーケティング的には成熟とかコモディティ化とか、そういう言葉で片付けられますし、「イノベーションのジレンマ」的な答え方は、ディスラプトされるマーケットだということですし。
これに対する対処はあるのか?というところで、この原因を何に求めるのか?という考え方がたくさんあります。
ベイン&カンパニーさん的には、コア顧客のニーズをちゃんと見直そう!で解決するわけです。「イノベーションへの解」的には、機能が十分になってしまったのだろうし、顧客のジョブからずれてしまっているのでしょうし。「ブルーオーシャン戦略」的には、提供している価値を分解して、いらんものを切って、いるもんを足せばいいんでしょうし。
まあ、言ってることは同じように見えます。「みんなおんなじ経営戦略」なんて本が書けるかもしれませんね。(星野さんごめんなさい)
これは成熟やらコモディティ化の解釈の問題だと思っています。
当然、SCPパラダイムから見れば、産業を固定し、業界構造の変化として捉えられ、プロフィットプールの移動として捉えることになります。
「イノベーションのジレンマ」的に見れば、自社の製品機能に基づいたバリューネットワークが「当初の顧客」の要求からずれてしまうとして捉えることになります。
「ブルーオーシャン戦略」的に見れば、熾烈な争いのレッドオーシャンになってしまった状態になるわけです。
私がいつも思うのは、想定する状況からずれなければいい、ということです。どちらかというと状況変化として私はこういった現象を捉えているので、因果関係の説明の必要があまりない。状況一元論みたいな形で説明して、学習やら脱学習やらやってもらうわけです。
コア事業再定義でしたね。
コアなお客さんが何を求めていて、どれぐらいずれちゃったのか?を捉えればいいだけです。
「だけです」って軽いですね。ずれているということは、社内のプロセスを修正しないといけないし、組織も修正しないといけないんですよ。めちゃくちゃしんどい。できればずれないようにしてほしい。
でも、企業は固定化したプロセスを拡大することで儲けるものなので、顧客の変化があるとすれば、このずれは必然ですし、顧客内のボトルネック移動に付き合うと考えても、必然的ですし、次に顧客の全体の便益の最大化のボトルネックになっている部分が既存事業の近くに出現するとも限りませんし・・・。いやあ、しんどいことやっていますね、ということです。
わかってほしいのはズレるということです。ズレた後の修正は大変です、ということです。
その大変なことをやるのがコア事業再定義です。
ズレが小さければ修正の必要はなく、どんどんやればいい。
成熟が感じられるぐらいにズレたとしたら、プロセスサイドの修正が必要になる。
事業戦略は価値と価値の生産プロセスを検討するものです。ですから、事業戦略の修正が必要になるということです。
伝わりますでしょうか?具体例がほとんどないのであまり伝わらないだろうなと思うのですが、戦略とは抽象概念を扱う領域なので、それがわからなければ戦略なんてできないんじゃないかなあ、と思ったりすることが最近は多いです。
私の説明が悪いせいか、クライアントさんは私の報告書を十分に理解するのは、1年後や2年後だったりします。それぐらいのタイムスパンでも戦略は大丈夫だと言えば大丈夫なのですが、なかなかせつない。ただ、自分の既知の概念として何かを理解しようとすると、大きくずれてしまうので、具体的に言わないことが大事なのかな、と最近は思っています。
結局は、自分の思考の蓄積でしかないですからね。
たまには、こういう書き方もいいかなあ、と思いました。ごめんなさい。
それでは今日はこのあたりで。次回をお楽しみに。