モンスター飼い主、フン、鳴き声、ノミ襲来...本当にあった「ペット」トラブル事件簿
Jタウンネットでは、読者が体験したさまざまな「ご近所トラブル」体験談を常時募集、紹介している。
画像はイメージです(olaszmeloさん撮影、Flickrより)
2016年も多くのトラブルを取り上げたが、やはり今年も多かったのは、犬や猫など「ペット」にまつわるゴタゴタだ。騒音に関するクレームや、フンや尿などの問題、そして「モンスター飼い主」への怒り――「実録!ご近所トラブル」のコーナーで取り上げたものから紹介する。
騒音に悩む人、苦情に悩む人...
まずはやはり、「定番」ともいえる鳴き声をめぐる体験談を。
京都府のYさん(40代女性・主婦)の隣人は、最近2匹の犬を飼い始めた。あたりは新興住宅街、一応一戸建てなのだが、家と家の間が密着した構造で、「実質集合住宅」状態。小型犬の鳴き声はかなり響く。
ご近所に不満が高まるが、隣人は「一戸建てでしょ? 飼わない決まりなんてありました?」。もちろんYさんたちも「飼うな」とまで言う気はないのだが――「『うるさくして、すみません』と一言仰ってくれれば話も違ったんでしょうけど」(「狭い住宅街で犬を飼い始めたお隣。鳴き声がうるさくて苦情を言ったら...」(京都府・40代女性)より)。
千葉県のDさん(50代男性・自営業)もペットOKのアパートに引っ越したのだが、隣の大型犬の鳴き声で寝不足に。こちらは郵便受けにお手紙を入れたところ、幸い「劇的に改善」したそうだ(「隣の犬の鳴き声で寝不足。そっとメモを郵便受けに入れておいたところ...」(千葉県・50代男性))。
苦情を「言われた側」の投稿もあった。神奈川県のBさん(40代男性・会社員)は、あるときお隣から、犬の鳴き声などについてキツイお叱りを受けてしまった。これで反論していたら、最初のYさんの隣人と同じパターンになってしまったところだが、Bさんは犬を室内で飼うようにする、ドッグランに連れて行ってストレスを発散させる、お隣にも丁寧にあいさつする、といった気遣いで、なんとか関係を改善することに成功したという(「うちの犬が、隣の花壇を荒らしてしまった。相手はもちろんカンカン。でも...」(神奈川県・40代男性))。
Yさんの隣人が言うとおり、基本的に犬や猫を飼ってはいけないという「決まり」はない。それだけに、ちょっとした気遣いがトラブルの行く末を左右する。
フンや尿でマンションが真っ二つに
ペット関係のトラブルといえば、やはり見逃せないのがフンや尿によるもの。
香川県のNさん(30代女性・主婦)は近所の男性が、Nさん宅が所有する空き地で、自分の犬にフンをさせて、しかもそれを放置することに激怒。フンを掃き集め、「飼い犬のフンをお返しします」との手紙とともに、その家の前にぶちまけたとか。なかなか激しい反撃であるが、さすがの相手も、もう2度とフンをさせることはなかったという(「うちの敷地で犬にフンさせるご近所さん。許せないので家の前にフンをぶちまけた」(香川県・30代女性))。
東京都のWさん(20代男性・学生)の住むマンションは、途中からペットOKの物件となった。ところが、途端にフンや尿の処理をめぐってトラブルが続発。元々は仲の良かった住人たちが、ペットの有無で真っ二つに分かれ、顔を合わせれば口論になるような状態になってしまった。
最終的には管理組合がペットに関するマナーを明文化し、反ペット派を説得することで、なんとか状況を打開したという。このエピソードも、飼い主のマナーや気遣いが、周囲に受け入れられるための鍵であることを感じさせる(「マンションで『ペット飼ってる家』VS『飼ってない家』の抗争勃発! 糞尿処理で険悪に...」(東京都・20代男性))。
そもそも話が通じないモンスター飼い主たち
だが、中にはそもそもマナーや気遣いなんて言葉とは縁遠い、「モンスター飼い主」というべき相手もいる。
たとえば岩手県のDさん(40代女性・事務職)の近所に暮らす一家。なんと30年以上にわたって、子猫を飼ってきては、ある程度育つと「かわいくなくなった」といって飼育を放棄してしまうという行いを繰り返しているという。
捨てられた猫たちは野良猫として近所に住みつき、庭に入りこんだり、畑を荒らしたり......。抗議しても、「もうウチの猫じゃない」と聞く耳を持たないとか(「子猫を飼っては、飽きると放置する鼻つまみ一家。猫たちは玄関前で入れてほしいと鳴き続け...」(岩手県・40代女性))。
栃木県のZさん(30代女性・自営業)の隣人も、「飽きた」といって飼い犬をネグレクト状態に。エサすらあげないという虐待に近い扱いに、さすがにご近所さんたちがかわいそうに思い、交代で面倒を見ているのだとか(「飼い犬がネグレクト状態のお隣。代わりに面倒みてるのに、感謝どころか...」(栃木県・30代女性))。
リードも付けず放し飼い
一方、京都府のPさん(40代女性・主婦)の近所に住む老婦人は、愛犬をかわいがってはいるのだが、リードもつけず庭で放し飼い。老化もあって近所を徘徊しており、事故を引き起こしかけることもしばしばだという。こちらも、相手が地元の「有力者」ということもあって、誰も口出しできないのだとか(「犬を放し飼いにするおばあさん。車でぶつかりそうになると怒鳴り込まれ...理不尽」(京都府・40代女性))。
最後は、Aさん(50代女性)が15年ほど前、千葉県の集合住宅で遭遇したトラブル。引っ越した直後、Aさんはなぜか部屋にわいたノミに全身を噛まれてしまい、「かゆくてたまらず」という惨状に。
ノミたちの発生源は、お隣。なんと、ペット禁止の物件にも関わらず、猫を数匹飼っており、しかも部屋を不潔にしているため、暖かくなると毎年ノミがわくのだとか。家賃などはちゃんと払っているので大家さんも追い出すこともできず、Aさんの前の住人も、このノミに悩まされて出て行ったのだという。Aさん本人も、結局退去を余儀なくされたのであった(「猫を飼ってるお隣からノミ発生! 全身噛まれて酷い目に...」(千葉県・50代女性))。
私たちの生活を豊かなものにしてくれるペットたち。しかし、飼い主の側の配慮が足りないと、逆に周囲との軋轢を生みかねない。犬や猫たちのためにも、2017年は、少しでもこうしたトラブルが減ることを祈りつつ......。