加藤ローサ:第3回 産むことは決めていました。でも結婚するかは正直、迷いました

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加藤ローサさんのインタビュー連載3回目は「妊娠、そして結婚生活のはじまり」についてのお話を伺っていきます。実は「結婚」を決断するまでに松井選手から二度もプロポーズされたそう! 結婚6年目にして旦那さんのことを「今のほうが好き」と言えるローサさんの結婚生活に迫ってみました。

■妊娠がわかった時、どんな心境でした?

本当にうれしかったです。ただ、妊娠したときに、やっぱり不安もあって。というのは、おなかに宿ってくれた子どもを産むことは決めていたんですが、正直彼との結婚は迷っていたんです。

私は、父親がいなかったので、家の中に男性がいる必要性がよくわからなくて。父がいなくても、そんなに不自由なく暮らしてきたので。それと、彼自身なかなか落ち着かない時期でもあったので(※当時松井選手はフランス2部グルノーブル所属)、無理に結婚しなくて良いかなと思っていたんです。

当時、母と2人で東京で暮らしていたんですが、母と子どもと3人だったら、東京で仕事を続けながら生きていくということも可能だな、とも考えていました。

結婚しないパターン 

結婚してフランスについて行くパターン 

結婚するけどフランスにはついていかないパターン

その3つでどれにするか悩んでいましたね。

■そんな気持ちの中、妊娠を伝えたご主人の反応は?

「結婚してくれ!」という感じでした。それがすごく意外だったんですけど、とくに嬉しさを感じることもなく(笑)。自分でもびっくりするくらい冷静に、「彼は結婚する気はあるんだ」という気持ちで聞いていました。その後、プロポーズを2回してくれたんです。

1回目はフランスで。髪をセットして、スーツを着て、花を買ってきて、ちゃんとプロポーズしてくれました。その時私は「考えるわ」と答えただけで終わって。2回目もカッチリとしたプロポーズをしてくれたんですが、それでもやっぱりまだ決断できなくて。

■2回とも断ったんですか?その状況から、どう結婚に至ったのでしょうか?

友達に「とりあえず、結婚しなよ。結婚しようと言ってくれてるんだから、しない理由ないじゃん」と言われたのがきっかけでした。「加藤ローサが未婚の母になったら『一体、どんな男と付き合ってたんだよ』と世間は妄想ばかりが膨らむよ」って(笑)。

そのアドバイスをくれた友達は女優だったんですが、「ほんとに嫌だったら、離婚しちゃえば良いんだからさ!」「女優はバツイチからがスタートだよ」と言ってくれて。それを聞いたら「そうだよね! 結婚しよう!」って思えたんです。

私たちは、2011年の6月に結婚したので今年で6年目なんですが、今は旦那さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

■てっきり、ラブラブな恋愛からの結婚だと思っていたので驚きです!

そういう意味では、うちは、普通の恋愛パターンとは逆かもしれないですね。

付き合った期間が短かったので、恋人らしいこともしてこなかったんです。だから、「子どもが大きくなったら、2人の時間をたくさん過ごしたいね」という話をよくします。「それが楽しみだ」って彼も言うんですけど、「それまで結婚してるといいね」と言って危機感を与えたり (笑)。

■それは、安心させないための技ですね!

そうそう。でも、人生って長いから、何があるかわからないですよね(笑)。私、結婚してから「何があるかわからない」が、座右の銘になりました。いろいろあったので、何が来ても「こんなつもりじゃなかったのに……」ということは、もうないと思うんですよね(笑)。それに、夫婦って元々は他人で、一緒にいるためにはお互い努力も必要だと思うんですよ。子ども達にとっては父親は彼だけだし。

■結婚生活はどのようにスタートしましたか?



結婚した後、妊娠8ヵ月の時にフランスに移住したんです。それまでずっと別居生活でした。つまり結婚生活はフランスと日本の遠距離からのスタートです。最後の仕事の打ち上げをした翌日にフランスに飛びました。

「初めての海外生活」・「出産してお母さんになる」・「妻になること」この3つが一気に来たので、忙しすぎて、正直その頃の記憶があまりないんですよね。漠然と「辛かった」という記憶はあるけど、とにかく毎日やりきることだけで精いっぱいという感じでした。

ご自身の誕生日6月22日に入籍をした加藤ローサさん。妊娠が判明してから紆余曲折あったものの、「今は旦那さんには感謝の気持ちでいっぱいです」と素敵な笑顔を見せてくれました。次回は、「フランスでの出産」について、お伺いします。お楽しみに!

(取材・文:上原かほり 撮影:chiai)