混乱しない? JRの「四ツ谷」ハングル表記、同じ駅内で3種が混交
海外からの観光客も年々増加し、それに合わせて街中の看板なども多国語に対応するようになってきた。JR東日本でも2016年8月20日から標識を日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語が併記されたものに入れ替えている。
しかし、外国語での表記にはまだぶれがあるようで、JR四ツ谷駅には「四ツ谷」を示すハングル語表記が3種類混在している。近所だからこそ気付くことが出来た違いだが、一旦気付くと気になって仕方ない。そこでJR東日本に電話取材を行い、理由などについて問い合わせてみた。
そもそも韓国語に存在しない音 「ツ」
画像はすべて10月31日撮影
ハングルが読めないと分かりにくいが、それぞれに違いがある。ハングルは表音文字なので、「よつや」もそのまま3文字になるのだが、その真ん中、「ツ」にあたる文字が微妙に異なっているのだ。
1番目の画像の表記は「요쓰야」。駅内に目立つところにある看板の多くはこれだ。「よつや」と読むのだが、この「쓰」がクセモノだ。
というのも、韓国語には日本語の「つ」にあたる発音が無いためだ。「쓰」は便宜的に使われており、実際には「ッス」のような発音になる。
2番目が「요츠야」で、「츠」は「ちゅ」に近い発音をするため、「よちゅや」に近いものとなる。3種類目の「요쯔야」の「쯔」も同様に「ちゅ」と発音される。
このように、1つの駅に3種類の表記が入り乱れている状態となっている。これについてJR東日本に問い合わせをしたところ、前述の「韓国語にはツの発音がない」ことから、
「(表記が3種類あることに)特に意味は無く、よく使われている文字を使用しています」
との返答があった。韓国語では存在しない発音を表記しようとなると、やはり色々と難点があるようだ。
また、
「駅にも確認しましたが、特にお客様から表記に関して問い合わせが入った、ということもないようです。鉄道業界で表記を統一しようという動きも今のところはありません」
とのこと。
ハングル文字を読めないと違いを判別することは難しいし、いずれの表記でも通じるというのなら、まあいいのかもしれない。しかし、同じ社内での表記は統一してほしい。デザインの面でも。
ところで、以前にもJタウンネットでは四ツ谷駅に関する記事を出しており、その時の話題も「ツ」についてだった。そして今回の題材も奇しくも「ツ」だ。そろそろ四ツ谷駅の「ツ」に詳しい編集部を名乗れそうだ。