北海道日本ハムファイターズ・大谷翔平投手。写真はイメージです(mechikoさん撮影、Flickrより)

2016年10月16日、プロ野球パリーグ・クライマックスシリーズにおいて、北海道日本ハムファイターズが福岡ソフトバンクホークスに勝利して、日本シリーズ進出を決めた。日本シリーズでは広島東洋カープと戦うことになるが、この対戦をある意味でもっとも心待ちにしているかもしれない人たちがいる。北広島市民である。

ツイッターには、次のようなツイートが投稿されている。

「日本シリーズ ファイターズVSカープとなると北広島市長は大騒ぎだな」というコメントだ。

北広島市って、いったい......?

「おじいちゃんはカープで、孫はファイターズ......」


クラーク博士の名言はこの地で誕生したとされる(Ozizoさん撮影、Wikimedia Commonsより)

北海道北広島市は、札幌市の南東に隣接する市だ。JR千歳線「北広島」駅が主要駅である。人口は約6万人で、札幌のベッドタウン的存在だ。

そもそもの始まりは、1884年。広島県人25戸103人が集団移住し、開拓が始まったという歴史を持つ。1894年に広島村になり、1968年に広島町、そして1996年に北広島市となった。南札幌市にする案もあったというが、自分たちのルーツである「広島」の名を残すことを住民は選んだのだ。

その父祖の地からやってくる広島カープと、現在の郷土代表日本ハムファイターズが日本一を競うという、夢のようなシリーズが実現するのだ。

ツイッターでは、昭文社の公式アカウントがこんな発言をしている。

実際にかつて1975年、カープが初優勝を果たしたときには、これをきっかけに地元で少年野球団体が発足。今も「大曲カープジュニア」というチームが存在するなど、カープとの縁は少なからず意識されている。

どちらが勝っても嬉しいし、どちらが負けても悔しい、という贅沢な気分を味わうのだろうか。


北広島市内風景(Prosperosityさん撮影、Wikimedia Commonsより)