相次ぐ仏像盗難を「レプリカ仏像」で迎え撃つ
[ちちんぷいぷい‐毎日放送]2016年10月4日放送の「石田ジャーナル」のコーナーで、本物そっくりのレプリカ仏像が紹介されていました。
和歌山工業高校(どんどんさん撮影、Wikimedia Commonsより)
警視庁によると、去年の寺社仏閣における窃盗事件は6000件以上。住職がいない「無住寺」や別寺院の僧侶が住職を兼ねる「兼務寺」が全国で30%もあるうえ、仏像や骨董品ブームから仏像の窃盗が増えているようです。
地元の工業高校が制作
2011年、仏像11体が盗難にあった無住寺の円福寺(和歌山県紀の川市)。そのうちの1体、立ち姿が珍しい「愛染明王立像」は後に檀家がオークションで落札、80万円で取り戻しました。
盗難以降、本物は博物館へ、本堂にはレプリカ仏像を安置することに。檀家代表は「レプリカではなく、魂を移した分身だと考えているので信仰の対象になっています。新しい仏像に足りないのは歴史だけ」と話します。
県立和歌山工業高校では仏像の防犯対策のために、5年前から県立博物館と共同で3Dプリンターによる仏像製作に取り組んでいます。これまで高校生が作成した7体の仏像は、博物館による着色を終え、各寺社に納められました。
本物そっくりのレプリカ仏像、相次ぐ仏像の盗難防止に役立つことを願います。(ライター:青空繭子)