夏を前に、都城工が文句なしのV!

勝利を喜ぶ都城工

 夏の大会を前に、最後となる公式戦決勝。吹奏楽部に加えて、サッカー部、ラグビー部、バレーボール部、バスケットボール部らの運動部生徒が球場に駆けつけた都城工。地元・都城開催で、盛大な声援が選手の背中を押した。

 都城工は、初回に先制を許すも、その裏に4番・中原がライト線際に落ちる2点適時二塁打で逆転。さらに5番・谷村と6番中村の連続中前適時打で「都城工4−0鵬翔」として、昨日の準決勝から連投だった鵬翔のエース田中を、早くもマウンドから降ろした。2回には、5番・谷村の左前適時打。7番・久保の中前適時打!そして、8番・東が、走者一掃となる右中間越え3点適時三塁打を放つと、9番・田中の左前適時打で10点目のホームを踏んだ。まさに、完全ホームゲームの都城工が鵬翔をのみこんだ。3回には、4番・中原に豪快な左越えソロ本塁打も飛びだし、都城工11対1鵬翔。

 ただ、最後まで諦めない鵬翔は、ベンチからの声と気迫を絶やすことなく、5回に3番・丸山、4番・石黒、5番西村の連打で1点を返す。しかし、今大会エースナンバーを背負った都城工・花牟礼から得点を奪うのは、これが精一杯だった。花牟礼は、鵬翔打線を8回2失点に抑える好投をみせると、5回には、自らのバットで12点目となる左中間越え適時二塁打を放った。その後、都城工は、敵失、5番・谷村の左前適時打、6番・中村の左犠飛から加点して、都城工15−2鵬翔。

 県南地区予選で、昨秋大会県ベスト4の都城西、今春選抜大会出場の日南学園を撃破して、本大会出場を果たした都城工が、そのままの勢いで頂点に立った。◆都城工の戦績[県南地区予選]2回戦8対3都城西、代表決定戦5対1日南学園[本大会]1回戦7対2宮崎西、準々決勝8対2都城東、準決勝4対0延岡星雲、決勝15対2鵬翔

 決勝戦にして、まさかの大差となったが、稀でも奇跡でもない。今大会を通して、夏前に備わった都城工の実力が存分に発揮された結果であり、誰がなんと言おうが、現時点で県ナンバーワンのチームであることは確かだ。都城工・原田 賢司監督は「この結果(優勝)が自信になったとは思うが、決して調子に乗る(驕る)選手たちではない。今日も『まだ点が取れる』・『まだやれる』ところがあった。まだ伸びる要素が残っている」と、期待を寄せる。今大会の覇者になって得た反省点・課題(=イコール『伸び代』)を克服して望むラストサマーでは、さらに進化した都工ナインの姿が見られそうだ。また、今日は5打席のうち4打数3安打3打点(ソロ本塁打含む)、1死球で、4度ホームを踏む(4得点)大活躍をみせた都城工4番・中原 大希主将は「秋に負けた鵬翔に、自分たちがやろうとしていたことができました。一人一人が野球をやるのではなく、チームで勝つ意識が出てきました。(夏の大会では)1年生大会で惜敗した富島、都城の山本 由伸投手と対戦したいです」と熱望していた通り、都城工は第6シードを勝ち取り、夏の大会では第3シード都城と同パートに入った。その先には、第2シード富島と第7シード聖心ウルスラパートの勝者が待っている。いよいよ、原田 賢司監督が率いる都城工が、今年の夏、台風の目になるか?注目が集まる!

(写真・文=三角 竜之)

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