京都国際vs日星
3番・清水陸哉(京都国際)
序盤に背負った4点のビハインドはあっという間に吹き飛んだ。
京都国際は初回に先発・柳田 太成(3年)が連続適時打を浴び2点の先制を許す。3回には守備の乱れからピンチを招きさらに2点を失う。
しかしその裏、1番・野崎 幸希(3年)と2番・西川 秋斗(3年)が無死二、三塁のチャンスを作ると3番・清水 陸哉(3年)が2打席連続となる二塁打を放ち二者が生還。この後、4番・土居 奎太朗(3年)の内野ゴロが相手の失策を誘って1点差に迫り、無死三塁から5番・中西 康介(2年)の打球は前進守備のショートの横を抜ける。1イニングで同点に追いつくと続く4回には清水が二死一、二塁からセンターへ3点本塁打を放ちリードを奪う。3打数3安打と当たっていた清水は無死一、二塁で迎えた6回の第4打席でも打った瞬間にそれとわかる一撃を今度は左中間に叩き込む。1本目は日星の先発左腕・波多野 俊樹(3年)のスライダーを捉えたもの。バッテリーに警戒されている中でも2本目も「まっすぐ待ってたんですけど、変化球が高めに浮いてきたんで」と5回途中からマウンドに上がった右腕・小川 裕汰(3年)の失投を逃さず完璧に捉えた。2打席連続の一発で高校通算本塁打は28に伸びた。清水の活躍で6点のリードを奪うと、7回には先頭の安藤 輝海(2年)が三塁打で出塁し、打順がトップに返ると野崎が初球を綺麗にセンター前に弾き返しあっさりコールド勝ち。序盤の劣勢が嘘のようにワンサイドゲームの雰囲気さえあった。
4打数4安打2本塁打8打点と打棒が爆発した清水は俊足強肩の持ち主で身体能力抜群。投げても最速143km/hのストレートに加えてスライダー、フォーク、カーブを操る右の本格派だ。4月の練習試合で帰塁した際に突き指をしてしまいこの日マウンドに上がる機会は無かったが、バッティングよりもピッチングの方が好きだという。
そして、清水がまだ余力を残していたのと同様、チームもまだ100%の力を見せていない。右サイドから130km/h台後半の球を投げ込む安定感のあるエース・中川 英和(2年)は肘を痛めた関係で大事を取って登板せず、秋に4番を打ち通算本塁打数では清水を上回る木村 拓真(3年)はベンチ外。「主力を外してどこまでやるか」小牧 憲継監督の期待に応え、京都国際ナインは飛車角落ちでベスト4に進出した。
「つかみどころが無い」小牧監督は今年のチームをそう表現した。序盤、ミスから失点したようにまだ粗さも残るが、ツボにハマった時の破壊力は恐ろしい。今夏、京都国際が選抜ベスト4の龍谷大平安のライバルとなりそうだ。
(取材・写真=小中 翔太)
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