あの曇天三兄弟が帰ってくる!! 舞台『曇天に笑う』出演 植田圭輔インタビュー
豪華キャストも話題となり、1万枚以上のチケットが完売するヒット作となった舞台『曇天に笑う』が、初演から1年あまりで早くも再演決定。時は明治、町に災いをもたらす大蛇の伝説をめぐるサスペンスを主軸に、兄弟愛や人間愛を描く大活劇だ。本作で三兄弟の次男・曇 空丸役を演じる植田圭輔にインタビューを敢行。一度でき上がった作品に新キャストとして参加するのが初めてだという彼に、現在の心境を語ってもらった。
撮影/すずき大すけ 取材・文/江尻亜由子
スタイリング/ホカリキュウ ヘアメイク/芹川善美
――空丸役として出演が決まったときのお気持ちから聞かせてください。
すごくうれしかったです。でも、カンパニーの方が初演で最初から作り上げた作品に、続編ではなく再演という形で加わるのは初めてなので、うれしさと同時に、責任を感じましたね。
――やはりプレッシャーはありますか?
空丸は前任の佐野岳さんの印象もあると思いますし、簡単なことではないなと。でも僕だけじゃなく、松田凌とか秋元龍太朗とか他にもキャスト変更があったりして、また新しい形にはなると思うので、あまり気にせずやれたらとは思います。
――初演は、どうご覧になられましたか?
時代背景も衣装もすごく作り込まれていてキレイ。そして心の奥底の部分までしっかり描かれているなぁと。人間関係においても、歯がゆさだったり苦しさだったり、それぞれのキャラクターが抱えているものがあるので、しっかり稽古してカンパニーとしてひとつにならないと、表現するのが難しいだろうなと思いました。
――新キャストが加わることで、どのような化学反応が起きるか楽しみです。
初演で築き上げたものを大切にしながらも、自分が入ったからには…みたいな思いもあるので頑張ります。「植田の空丸もよかった」って思ってもらえたらうれしいですし、いい意味で新しい風を吹き込みたいなと思いますね。
――空丸は、三兄弟の中では一番の常識人。自由な兄と弟に振り回されていますね(笑)。
空丸については冷静な…“青い炎”みたいなイメージがあります。まっすぐだけど、自分の思っていることをすべて口に出すタイプではなく、内に秘めているものが多い。ギラギラしてないけど、闘争心みたいなものはしっかりある男の子なんだろうと思います。
――植田さん自身は学生時代の途中まで思ってることを何でも口に出してしまうタイプだったそうですが、今は、秘めるタイプの空丸の気持ちに共感できますか?
どうでしょう…。昔よりは大人になったと思うけれど、負けず嫌いは一生直らないと思う(笑)。たまに思ってることがバーッて口から出ちゃったりするんですよね。だから、胸の内に秘められる人は賢いなって思いますよ。社会に出て成功するタイプだと思う(笑)。でもそれは、つらさを背負うことでもありますよね。
――植田さん自身は女兄弟に囲まれて育ったそうですが、何番目ですか?
長女、僕、次女、三女です。間といえば間ですね。でも男兄弟と女兄弟の関係性はたぶん全然違って、お兄ちゃんと殴り合い、みたいな経験はないです(笑)。
――一緒に女の子の格好をしていても違和感がないくらい、かわいかったのでは…。
昔は四姉妹とかよく言われてましたね。僕としてはそれがすごくイヤだったんですけど…。昔からずっと男兄弟に憧れていました。だから今回、男兄弟をお芝居でやれるのはうれしいなって単純に思います。
――空丸をどんなふうに演じたいとお考えですか?
次男って、いわゆるしっかり者じゃないですか。空丸も典型的な“THE次男”だと思うんですよ。兄への憧れや、兄を超えたいっていう強い気持ちがあったり。そこを、しっかり人間らしく演じられたらなと思います。
――今まで植田さんが演じられてきたキャラクターのイメージだと、空丸よりも宙太郎かなと思ったんですけど…。
そうですね。でもそこは逆にチャンスだなと思っています。「こういうこともできるんだ」というのをたくさんの方に知っていただければなぁと。どっちかというと、僕自身は本来、空丸タイプの人間なので。
――セルフイメージとしては、宙太郎より空丸が近い、と?
僕、そんなに明るくないので、ホントは…かわいくもないですし。10代の頃から「中身がおっさん」と言われ続けていますし(笑)。
――中身がおっさん!?
昔から「人はあいさつとか、常識さえあればいい」とか「女性には一歩下がってついてきてほしい」とか、そういうことばっかり言ってたからかな…。
――古風な考え方なんですね。
へらへらしてるのが嫌いなんですよね。やるときはやりたいし、ふざけるときはふざけたい。そういうところが…よく言えば「しっかりしてるね」っていう褒め言葉だったのかもしれないです。
――玉城さんが兄役ですが、まさに「こういうお兄さんが欲しかった」という感じですか?
玉城裕規は、僕が本当に好きな俳優さんです。好きな人がお兄ちゃんだったら、これ以上うれしいことはないですよね。
――どんなところが魅力的な方なのでしょう?
役者としてのエネルギーがスゴくて。あっけらかんとした明るさとか、悲しい感情の爆発のさせ方とか。天火にぴったりだと思います。もともと設定上、僕が振り回される役柄ですけど、役者としても先輩なので。舞台上でも振り回されて、それでも食らいついていきたいっていう僕自身の気持ちと空丸の気持ちをリンクさせていけたらと思っています。
――玉城さんとはこれまでにも共演されていて、プライベートでも親交があるということですが、初対面での玉城さんの印象って覚えていますか?
顔がキレイ(笑)。5〜6年前からの付き合いになりますけど、会うたびにそう思います。
――人柄としてはどういう印象ですか?
すごくお芝居が好きな人ですね。ストイックで、唯一無二なものを持っていて。特徴的じゃないですか、顔にしても声にしても。カラダもすごく動くし。あと、芝居でウソがつけない人っていう感じがする。そういうところが好きですね。
――プライベートではどんな感じなんでしょう。
うーん…よく飲みますねぇ、あの沖縄人は(笑)。
――お酒を飲むと印象は変わったりするんですか?
変わるとかではないんですけど、こんなに凛としてて、芝居もできて、頼れる兄貴っていう感じなのに、なぜかみんなにいじられるんですよ(笑)。
――一見クールで近寄りがたい感じなのかなと思いますけど…
実際は全然そんなことないんですよね。「陽気な沖縄人」って書いておいてください(笑)。
撮影/すずき大すけ 取材・文/江尻亜由子
スタイリング/ホカリキュウ ヘアメイク/芹川善美
歯がゆさ、苦しさ…心の奥底まで描く
――空丸役として出演が決まったときのお気持ちから聞かせてください。
すごくうれしかったです。でも、カンパニーの方が初演で最初から作り上げた作品に、続編ではなく再演という形で加わるのは初めてなので、うれしさと同時に、責任を感じましたね。
――やはりプレッシャーはありますか?
空丸は前任の佐野岳さんの印象もあると思いますし、簡単なことではないなと。でも僕だけじゃなく、松田凌とか秋元龍太朗とか他にもキャスト変更があったりして、また新しい形にはなると思うので、あまり気にせずやれたらとは思います。
――初演は、どうご覧になられましたか?
時代背景も衣装もすごく作り込まれていてキレイ。そして心の奥底の部分までしっかり描かれているなぁと。人間関係においても、歯がゆさだったり苦しさだったり、それぞれのキャラクターが抱えているものがあるので、しっかり稽古してカンパニーとしてひとつにならないと、表現するのが難しいだろうなと思いました。
――新キャストが加わることで、どのような化学反応が起きるか楽しみです。
初演で築き上げたものを大切にしながらも、自分が入ったからには…みたいな思いもあるので頑張ります。「植田の空丸もよかった」って思ってもらえたらうれしいですし、いい意味で新しい風を吹き込みたいなと思いますね。
――空丸は、三兄弟の中では一番の常識人。自由な兄と弟に振り回されていますね(笑)。
空丸については冷静な…“青い炎”みたいなイメージがあります。まっすぐだけど、自分の思っていることをすべて口に出すタイプではなく、内に秘めているものが多い。ギラギラしてないけど、闘争心みたいなものはしっかりある男の子なんだろうと思います。
――植田さん自身は学生時代の途中まで思ってることを何でも口に出してしまうタイプだったそうですが、今は、秘めるタイプの空丸の気持ちに共感できますか?
どうでしょう…。昔よりは大人になったと思うけれど、負けず嫌いは一生直らないと思う(笑)。たまに思ってることがバーッて口から出ちゃったりするんですよね。だから、胸の内に秘められる人は賢いなって思いますよ。社会に出て成功するタイプだと思う(笑)。でもそれは、つらさを背負うことでもありますよね。
昔からずっと男兄弟に憧れていた
――植田さん自身は女兄弟に囲まれて育ったそうですが、何番目ですか?
長女、僕、次女、三女です。間といえば間ですね。でも男兄弟と女兄弟の関係性はたぶん全然違って、お兄ちゃんと殴り合い、みたいな経験はないです(笑)。
――一緒に女の子の格好をしていても違和感がないくらい、かわいかったのでは…。
昔は四姉妹とかよく言われてましたね。僕としてはそれがすごくイヤだったんですけど…。昔からずっと男兄弟に憧れていました。だから今回、男兄弟をお芝居でやれるのはうれしいなって単純に思います。
――空丸をどんなふうに演じたいとお考えですか?
次男って、いわゆるしっかり者じゃないですか。空丸も典型的な“THE次男”だと思うんですよ。兄への憧れや、兄を超えたいっていう強い気持ちがあったり。そこを、しっかり人間らしく演じられたらなと思います。
――今まで植田さんが演じられてきたキャラクターのイメージだと、空丸よりも宙太郎かなと思ったんですけど…。
そうですね。でもそこは逆にチャンスだなと思っています。「こういうこともできるんだ」というのをたくさんの方に知っていただければなぁと。どっちかというと、僕自身は本来、空丸タイプの人間なので。
――セルフイメージとしては、宙太郎より空丸が近い、と?
僕、そんなに明るくないので、ホントは…かわいくもないですし。10代の頃から「中身がおっさん」と言われ続けていますし(笑)。
――中身がおっさん!?
昔から「人はあいさつとか、常識さえあればいい」とか「女性には一歩下がってついてきてほしい」とか、そういうことばっかり言ってたからかな…。
――古風な考え方なんですね。
へらへらしてるのが嫌いなんですよね。やるときはやりたいし、ふざけるときはふざけたい。そういうところが…よく言えば「しっかりしてるね」っていう褒め言葉だったのかもしれないです。
玉城裕規は、唯一無二の役者だと思う
――玉城さんが兄役ですが、まさに「こういうお兄さんが欲しかった」という感じですか?
玉城裕規は、僕が本当に好きな俳優さんです。好きな人がお兄ちゃんだったら、これ以上うれしいことはないですよね。
――どんなところが魅力的な方なのでしょう?
役者としてのエネルギーがスゴくて。あっけらかんとした明るさとか、悲しい感情の爆発のさせ方とか。天火にぴったりだと思います。もともと設定上、僕が振り回される役柄ですけど、役者としても先輩なので。舞台上でも振り回されて、それでも食らいついていきたいっていう僕自身の気持ちと空丸の気持ちをリンクさせていけたらと思っています。
――玉城さんとはこれまでにも共演されていて、プライベートでも親交があるということですが、初対面での玉城さんの印象って覚えていますか?
顔がキレイ(笑)。5〜6年前からの付き合いになりますけど、会うたびにそう思います。
――人柄としてはどういう印象ですか?
すごくお芝居が好きな人ですね。ストイックで、唯一無二なものを持っていて。特徴的じゃないですか、顔にしても声にしても。カラダもすごく動くし。あと、芝居でウソがつけない人っていう感じがする。そういうところが好きですね。
――プライベートではどんな感じなんでしょう。
うーん…よく飲みますねぇ、あの沖縄人は(笑)。
――お酒を飲むと印象は変わったりするんですか?
変わるとかではないんですけど、こんなに凛としてて、芝居もできて、頼れる兄貴っていう感じなのに、なぜかみんなにいじられるんですよ(笑)。
――一見クールで近寄りがたい感じなのかなと思いますけど…
実際は全然そんなことないんですよね。「陽気な沖縄人」って書いておいてください(笑)。