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●2020年のスマートライフからアナログターンテーブルまで披露
パナソニックは9月2日(ベルリン時間)、ドイツ・ベルリンで開催されるIFA 2015の会場において、Technicsブランドの新製品や、4K対応の有機ELテレビなどを発表。さらに、欧州市場における白物家電事業を2倍以上に拡大する方針などを示した。

○2020年のスマートライフを提案

冒頭、パナソニックヨーロッパのローラン・アバディ会長は、パナソニックが打ち出す「A Better Life, A Better World」に向けた取り組みを加速していることに触れながら、「FUTURE 2020」と名付けられたビデオを放映。2020年の生活の様子を紹介し、夢のようなスマートライフの実現が、これからわずか5年後に訪れることを示してみせた。

そのアバディ会長が紹介した近未来を実現する製品のひとつが、モバイルバーチャルネットワークを使用した4Gリモート監視カメラ「Nubo」。侵入者などがあった場合に、カメラで撮影した映像をスマホに配信して、利用者が確認できるという製品だ。欧州では、金融サービスのAllianzと連携して、サービスを提供するという。Allianzのジャック・リシエ会長兼CEOは、「このサービスを利用することで、侵入者を検知したり、家庭内の水漏れなども検知し、それをスマホで見ることができる」とした。

●パナソニック初の4K有機ELテレビも
○アプライアンスの売上を2倍に

続いて、パナソニック アプライアンス社・本間哲朗社長が登壇し、「パナソニックは、昨年のIFA 2014において、プレミアムライフスタイルの提案を宣言したが、今年はそれを発展させ、新しい家電事業ビジョンとして『Aspire to more』を掲げる」と切り出した。

そして、「パナソニックは、2018年度には、欧州のコンシューマ製品で177億ユーロの販売目標を掲げているが、さらにアプライアンスの売上高を2018年までに2倍以上にする。コンシューマ製品を次の柱にする」と語った。

また、パナソニックは、「イノベーション」「デザイン」「空間提案」という3つの切り口から「憧れのくらし」を実現する企業であると語り、イノベーションに関しては、洗濯機におけるセンサー技術、ドライヤーにおけるナノイー技術を紹介。

デザインについては、「日本の伝統建築や庭園などの調和美をDNAに持つパナソニックデザインは、ビルトインキッチンに活かされている。欧州の住空間の様々な個性を活かしながら、心地よい調和を生み出すことができる」などとした。また、「空間提案」では、女性のためのプライベートルームを提案。快適な眠りをサポートし、起きて鏡の前に座るだけで、肌の状態をチェックして、美容商品の最適な使い方をアドバイスする事例を示した。

本間社長は、「AV、白物家電、空調、照明など、100を超える商品カテゴリーと技術を持つパナソニックだからこそ、他社にはない空間提案が可能になる」と強調した。具体的な製品としては、Induction HOBを紹介。この製品に対して、シェフやディーラーから高い評価を得ていることを示した。また、和食に適した保鮮技術を搭載し、野菜の鮮度やビタミンを維持できる冷蔵庫を欧州市場でも投入。理美容分野では、アンチエイジングやクレンジング商品が成長しており、より注力していくことにも言及した。

○パナソニック初の4K有機ELテレビも

さらに、パナソニックの4Kの取り組みについても説明した。

ここでは、LUMIX GX8やFZ300といった新製品にも搭載した4K Photo機能のほか、Firefox OSを搭載した4KテレビのフラッグシップであるCX800、曲面テレビのCR850をそれぞれ新たに発表。パナソニックハリウッド研究所を通じて、ハリウッド関係者との連携によって完成させた製品であるとした。また、映画製作のための4Kバリカムカメラやモニタも投入し、ハリウッドが求める画像を実現していることを示した。

そして、本間社長が最後に発表したのが、同社初の4K有機ELテレビである「CZ950」であった。「パナソニックは、プラズマテレビによって深い黒を表現したが、有機ELテレビではそれを超える深い黒を実現した。有機ELテレビは、プラズマテレビと同じく自発光であり、パナソニック独自のプラズマ技術とノウハウで信号処理を行った。他の有機ELテレビにはない画質を実現している。アルミスタンドを採用し、インテリアにあわせたデザインを実現し、ハイエンドの家具の一部になる製品だ」と述べた。

CZ950は、THXの認定を受けているほか、HDR映像もサポートするという。2015年10月から、欧州全域で発売する予定だ。

●Technics復活から1年、新たなミッションとは
最後に登壇したのが、パナソニック アプライアンス社常務であり、テクニクス事業推進室長を務める小川理子氏だ。

○Technics復活から1年、新たなミッションとは

昨年のIFA 2014で発表したTechnicsの復活から1年の経過について説明。「欧州、日本、北米など、多くの地域で展開することができた。また、多くのオーディオ評論家、オーディオ雑誌で高い評価を得た」と切り出し、「そのTechnicsは、今年、50周年という特別な年を迎える。過去50年間は "序曲"であり、次の50年間で、Techinicsはさらに進化を遂げることになる。そして、すべての音楽愛好家の生活を変えることになる」と述べた。

パナソニックは、昨年のIFAでリファレンスクラスのR1シリーズ、プレミアムクラスのC700シリーズを発表したが、今年のIFA 2015では、その間のグランドクラスとして「G30シリーズ」を投入。「グランドクラスの製品は、優れた音質と快適なリスニングを提供し、妥協のない音の経験してもらえる」と位置付けた。

グランドクラスのTechnics製品は、ネットワークオーディオアンプの「SU-G30」と、ミュージックサーバーの「ST-G30」で構成。スマートフォンやタブレット向けのアプリを通じた操作が可能だ。信号分配におけるジッタとノイズを最小限にするための改良を加えたほか、ネットワークを介して、SU-G30にST-G30から音楽データを転送できる。

さらに、プレミアムクラスの新製品として、オールインワン型の「C500」を発表。「OTTAVA (オッターヴァ)」という名称をつけて発売する。OTTAVAは、オクターブのイタリア語で、ジャズピアニストとしても活躍する小川氏自らも、「ジャズピアノを弾くときに使う言葉。ミュージシャンがソロ演奏するとき、1オクターブ変えて弾く。C500はソロで完結する製品。リビングルームに本格的なリスニング体験をもたらすように設計され、1オクターブ変えた位置の製品として、音楽を楽しむことができる」とした。さらに、C500シリーズには、新たなスピーカーシステムを採用し、音の広がりにも特徴を持っているという。また、Technicsブランドのヘッドホン「T700」の投入も発表した。

そして、最後に小川氏が発表したのが、ダイレクトドライブ方式のアナログターンテーブルの製品化計画だ。Technicsの代表的製品であるダイレクトドライブターンテーブルを、新たなモーター制御技術などを活用して再定義したもので、2016年の製品化を予定。「多くの放送局で採用された伝説のSP10を超え、多くのDJに愛されたSL1200も超える製品になる」と位置づけた。

ちなみに、今年夏に公開された映画「ミッションインポッシブル」の新作で、トム・クルーズが指示を受ける際に、レコードを再生するが、ここにTechnicsのターンテーブルが使用されたという。小川氏はこのエピソードを披露しながら、「Technicsの新たなターンテーブルの開発は、我々にとっても、ミッションインポッシブルになる」と語った。

(大河原克行)