植田圭輔が2.5次元作品を演じる葛藤を明かす「最初は原作ファンの反応が怖かった」
撮影／すずき大すけ ヘア＆メーク／山崎照代 取材・文／大野奈緒美
舞台『ペルソナ３』で1人2役に初挑戦
――シリーズ3作目にして新キャラを演じると聞いて驚きました。
僕自身も不思議な感覚ですね。シリーズ1の初演から、すべての公演に関わってきているのに、新キャラとして登場!?…みたいな（笑）。
――その望月綾時とは、一体どんな役柄なんでしょう？
とことん明るくて、女の子が大好きで（笑）。自分から積極的に周りの人に話しかけ、グイグイ接近していける、人懐っこい青年です。前作でいろいろなことが起こった影響で、今回の物語ではメインキャストたちが暗い雰囲気になっているなか、それをぶち破るがごとく、とんでもないキャラが現れたなという感じですね（笑）。
――ということは、引き続き演じているファルロスとは、まったく違う役柄ですね。
そもそもファルロスは少年で、綾時は青年という、見た目の点からして異なりますし、ファルロスは主人公にしか見えない存在なので、綾時とは劇中の立ち位置が全然違いますね。
――ふたつの役柄を、それぞれどう演じ分けているんですか？
ファルロスに関しては、物語の先の展開を予言したり、啓示したりする役割を担っているので、性格分析うんぬんより、お客さんにわかりやすく伝えるってことを最優先に考えています。言ってることも、少し哲学的で難しい内容なので、工夫しないと届かないんじゃないかなと。
――綾時のほうは、どんな役作りをしているんでしょう？
綾時は、意図的に周囲を明るくしようと考えてるわけじゃないんですよね。彼自身がすごく明るい性格だから、周りの人たちは自然と影響されて元気になる、という関係性なんです。なので、綾時のその無自覚なところを大事にしています。
――舞台上で、ふたつの役を切り替えるのは難しそうですね。
僕自身、ひとつの作品でメインのキャラクターをふたつ演じるのは初めての体験だし、役者として、そんなにしょっちゅうあることではないじゃないですか。だから、このチャンスを楽しんでやる！って感覚のほうが強いです。
――今回の舞台、植田さんのお気に入りのシーンはどこですか？
内容的なことは、ネタバレになるので言えないんですけど（笑）。全キャストの歌が尋常じゃないほど上手いので、注目してもらいたいですね。なかでもクライマックスの前に、ストレガというチームとS.E.E.S.というチームが歌う場面、あそこは毎回、見入っちゃいます。
――植田さんも登場するシーンですか？
いえ、僕の出演シーンではないので、舞台袖から見てます（笑）。ホントにみんなの歌声、スゴいんですよ。あと、今回のステージは映像のクオリティが、今までの10倍ぐらいになってます。美しさも、作りこみ具合も、使い方も、全部に圧倒される感じ。お客さんもビックリすると思いますよ。
