圧巻の芝ざくら! まつり期間中は「芝ざくらソフトクリーム」なども食べられる

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先日、とってもかわいらしい町を訪れた。北海道北東部にある滝上町(たきのうえちょう)だ。町のあちこちにメルヘンチックな建物が立ち、町全体が童話の世界。ちょっとしたテーマパークのような趣なのだ。

たとえば、道の駅「香りの里たきのうえ」もヨーロッパ風のメルヘンチックな外観。滝上町はハッカの生産日本一なので、ハッカを使ったグッズなどが並んでいる。ハッカにちなんで、町はハーブ全体にも力を入れており、「香りの里ハーブガーデン」という人気の観光スポットもある。ここは赤いとんがり屋根の建物などが並び、非常にかわいらしい雰囲気だ。

町を流れる渚滑川にかかる「虹の橋」もメルヘンチックで目を引く。ちょっと珍しい2階建ての橋なのだが、入り口には童話の世界をイメージした三角屋根の門がある。他にも、まるでお城のような5階建てのホテル「ホテル渓谷」もある。

なぜ、こんなにメルヘンチックな町並みなのか? 

町の商工観光課の人に話を聞くと、滝上町では1990年から「童話村」をコンセプトにしたまちづくりを進めているのだという。とくに町にちなんだ童話があるわけではないが、むしろ「この町を舞台にした童話がつくられるように」という思いから。もともと川や花など、童話の舞台になるような場所が多くあるため、それらを活かして、素朴でちょっとオシャレな町づくりを目指しているそうだ。

そんな滝上町が一年で一番にぎわうのが、5月中旬から6月上旬ごろ。実はこの町は10万平方メートルという日本最大規模の芝ざくらの名所でもある。芝ざくらが見られる場所は全国にあるが、さすがに10万平方メートルというのは桁違い。北海道ならではのスケール感である。

しかも平坦な土地ではなく、丘に咲いているので、市街地から見ると、まるで丘一面にピンクの絨毯が敷かれているように見えるそうだ。シーズン中は「芝ざくらまつり」も開催され、昨年は約4万人が訪れたという。

かわいらしい町なので散策も楽しく、町を流れる渚滑川沿いの遊歩道を歩きながら「錦仙渓」の渓谷美を見るのもいい。市街地を流れる渓谷というのは全国的に見ても珍しいそうだ。

童話の村がピンクに染まるこの季節。ぜひメルヘンチックな旅にでかけてみては?
(古屋江美子)