5月23日、東京競馬場でG汽ークス(芝2400m)が行なわれる。

 今年の最大の見どころは、無敗の桜花賞馬ソダシ(牝3歳/栗東・須貝尚介厩舎)が2冠なるかというところだろう。まずはソダシのオークス制覇の可能性について展望していきたい。


無敗で桜花賞を制したソダシ

 オークスはG戯花賞の「芝/1600m」から一気に「芝/2400m」と、800mも距離が延びるのがポイントだ。とはいえ、ほとんどの馬が初距離となる条件であり、桜花賞馬のオークスでの成績は悪くない。過去20年では15頭が出走して6勝、2着1回、3着1回という結果だ。

 ソダシは2歳時にG戯綽瀬献絅戰淵ぅ襯侫リーズ(阪神/芝1600m)も勝利しているが、同レース(前身の阪神3歳牝馬Sを含む)と桜花賞を両方勝った馬では、2009年ブエナビスタと2010年アパパネがオークスも制覇。2001年のテイエムオーシャンは3着、さらに遡ると、1992年のニシノフラワーが7着に敗れている。

 ソダシの桜花賞のレース内容を振り返ってみよう。ストゥーティとメイケイエールが逃げ争いを見せて1000m通過は56秒8のハイペースに。この流れは3番手で追走したソダシにとっても厳しい展開ではあったが、そのまま押し切って優勝。勝ちタイム1分31秒1は桜花賞レコードを1秒6、さらに古馬も含めたコースレコードを0秒8更新するレコードというすばらしいタイムだ。

 2着サトノレイナスにクビ差まで迫られたとはいえ、非常に内容の濃い、強いレースだった。このような競馬はスタミナがなければできる芸当ではなく、そこも高い評価が与えられる。

 ただ、ソダシに不安があるとすれば、本来なら競走馬としては大きな武器となるスピードと先行力だ。前述のようなハイペースを楽に先行できるスピードの持ち主であるがために、ストゥーティやメイケイエールのような速い逃げ馬がいない今回は、押し出されるように先頭に立ってしまう展開も考えられる。

 過去20年、21頭(2010年は同着)のオークス馬の決め手(=脚質)を見てみると、21頭のうち9頭が4コーナーを10番手以下で、19頭が5番手以下で通過している。つまり、オークスは最後の直線まで脚を溜められる差し馬の成績が圧倒的にいいのだ。ソダシのようなスピードがありすぎる馬は、「オークス向き」とは言いづらい。大敗するとは考えにくいが、強い競馬を見せながら惜敗、というシーンも十分に考えられる。

 そのような展開になれば他馬にもチャンスが広がるが、中でも最有力と思われるのがアカイトリノムスメ(牝3歳/美浦・国枝栄厩舎)だ。前走の桜花賞はソダシから0秒2差の4着。ジワジワと伸びて、ゴール直前では3着ファインルージュにクビ差まで迫っており、距離が延びての巻き返しを予感させた。

 この馬は2月のG轡イーンC(東京/芝1600m)の走りが印象深い。道中5番手で進み、残り200m付近で先頭に立つと、外から他馬が襲いかかって差されそうにも見えたが、クビ差抑えきっている。

 派手さはないが"地味に強い"という印象で、スタミナと勝負根性はいかにもオークス向きだ。東京コースは3戦3勝と得意にしているし、昨秋の赤松賞(東京/芝1600m)は10頭立ての4コーナー9番手から差し切っているように、末脚の爆発力もある。

 血統を見てみよう。父ディープインパクトの産駒は2012年ジェンティルドンナ、2015年ミッキークイーン、2016年シンハライト、2019年ラヴズオンリーユーでオークスを4勝。そして母アパパネは2010年の3冠牝馬。現役馬では最高レベルの良血馬で、勝てばもちろんオークス母仔制覇となる。

 以上、今年のオークスはソダシの強さを認めながらも、アカイトリノムスメの母仔制覇に期待したい。