13日、米国産牛肉の輸入反対を訴える民主党の小沢一郎代表。(撮影:徳永裕介)

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民主、共産など野党4党は13日午後、東京都千代田区の憲政記念館で米国産牛肉の輸入再開に反対する集会を開き、「政治的な判断によって、国民の食の安全をないがしろにするべきでない」などと訴えた。

 反対集会は民主党、共産党、社民党、国民新党が共催した。政府が今月下旬の小泉純一郎首相の訪米に合わせて、米国産牛肉の安全性を十分に担保しないまま輸入再開に踏み切ろうとしているとして開かれた。

 出席した民主党の小沢一郎代表は「単にアメリカ大統領のご機嫌を取るために、国民の心配を無視してまで(牛肉輸入の)再開を図ろうとする小泉総理の姿勢そのものが最大の問題だ」と批判。共産党の志位和夫委員長も「日本の国民の命よりもアメリカへの忠義立てを上に置くという政治は、絶対に間違っている」と訴えた。

 前食品安全委員会委員の東京医科大・金子清俊主任教授によると、牛海綿状脳症(BSE)の原因とされる肉骨粉は、米国では現在も鶏などに与えられている。肉骨粉には牛海綿状脳症(BSE)の病原体がたまりやすい特定危険部位も含まれているが、それを食べた鶏のフンや養鶏場廃棄物(チキンリッター)が牛に与えられているという。さらに米国ではメディアが食の安全性について批判的な報道をした場合、食品関係者は訴えることができる法律(Food Disparagement Law)があるため、食の問題が報道されにくいのだという。

 BSEの発生で輸入停止されていた米国産牛肉は2005年12月、特定危険部位の除去を条件に生後20カ月以下の牛に限って輸入が再開された。しかし、06年1月20日に特定危険部位である背骨が混入しているのが発見され、再び停止されている。【了】