小泉純一郎首相と韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の日韓首脳会談が20日、ソウルの青瓦台(大統領官邸)で行われた。会談後、両首脳は共同発表し、第2期の日韓歴史共同研究委員会を立ち上げ、教科書委員会を新設することと、靖国神社参拝問題に絡み、新たな追悼施設の建設について検討していくと述べた。

 両首脳の会談は昨年12月以来。盧大統領は、会談では互いの認識を率直に、真摯に話し合ったと述べた。教科書問題では「教科書委員会を新設して、共通認識に達した部分を教科書の編集過程で反映されるよう、各々の教科書制度の枠内で努力する」とした。

 小泉首相はここ数ヶ月間、日韓関係が冷却化したことを受け、「韓国国民の心情を重く受け止め、過去の問題について反省すべきは反省する」と述べた。その上で「未来に向けて率直に対話していくことが両国の信頼関係強化にとって重要」と強調した。また、靖国神社参拝問題では、盧大統領から第三の追悼施設建設について提案され、「国民世論などに配慮しながら検討していくことを約束する」と答えた。

 さらに、朝鮮半島出身者の遺骨調査や、在サハリン韓国人、在韓被爆者に対する支援を「人道的な観点から可能な限り進める」とした。【了】