「センセーショナルな“ドッピエッタ”(1試合2得点)」―― イタリア内外での、ACミラン本田圭佑選手対する絶賛の声は日増しに大きくなる一方だ。

さらに、シーズン開幕前に本田を強く批判してきたメディアやサポーターは、過去の発言を「後悔している」と発言し、ついには謝り始める事態に発展している。

イタリアメディアは、いわゆる“手の平返し”が多い。中でも、ニュースサイト「Leo Sport」は、「かつてほど(のレベル)ではないセリエAだが、それでも成功することは難しい。(本田は)デビューシーズンが後ろ向きだっただけに、華麗なまでに偏見を称賛へと替えてみせた」と本田の活躍を絶賛している。

また同じくニュースサイト「Giornalisti nel pallone」も「本田に許しを請いたい。私はずっと彼の獲得はマーケティングの一環だと言い続けてきたが、彼は間違いだと証明した。7試合で6ゴールは、まぐれでも何でもない」と評価を一変させている。

さらに辛口メディアの一つ「Calcio web」では「最初、私たちは彼に大いに期待し、その後、実力が伴わないものだと思った。ただ、今はACミランがチャンピオンズ・リーグの舞台に上がれるかどうかが、彼の肩にかかっている。ホンダという名前のわりに少し遅れてしまった感はあるが、日本から来た男に改めて“ようこそ”と言いたい」と、謝罪めいた論評を次々と掲載した。

これまでにもイタリアでは多くの選手が批判にさらされてきたが、このような謝罪文を掲載するのは異例である。

イタリアメディアは、こういった“手の平返し”行為を自認し、肯定もしているようだ。記事には、手の平返しを批判する者への反論とも言うべきジャーナリストの発言も紹介している。いわく「良い時は褒め、批判することも必要。ただ単に“応援団”となったメディアの称賛記事が最も恥ずべき行為である」「報道はあくまで中立に」ということだそうだ。

その他、数多くのACミランのファンフォーラムでも、本田批判に対する謝罪と期待を込めたメッセージが続々と寄せられている。