23日放送、テレビ東京「FOOT×BRAIN」では、スポーツ記者の草分け的存在として長年に渡って活躍し、今尚現役でもある二人の重鎮サッカージャーナリスト・賀川浩氏(89)と牛木素吉郎氏(82)がゲストで出演した。

その功績が称えられ、日本サッカー殿堂入りを果たしている両氏が行ったのは、日本サッカー界に向けた3つの提言だった。その内容は以下の通りである。

1. 集中強化の廃止(牛木氏)
「集中強化っていうのは、集めて拘束して単独チームのように一つのチームのように作ろうっていう考え方。今は違うやり方、誰が出てもやれるような層の厚さがないとW杯で優勝なんてことはとても無理です。

集中強化の弊害というのは終わった後でペンペン草も生えない。釜本が引退し、杉山が引退し、小城が引退したら後何も残ってない。もう一つは他の連中のやる気がなくなる。

今はほとんどの選手がヨーロッパにいて色々な国にいますから、それを集めてごく短期間にチームとして出るわけですから、今までのチームを作り上げるというやり方と違うやり方じゃないと。それをアギーレ連れてきて4年間やって貰う。

アギーレジャパンを作る時代じゃない。その考えは集中強化に似ているんです。一つのチームとして一人の監督に作らせようと。今は選手が育つのはそれぞれのクラブの中。その中でこれはいいぞっていうのを集めて試合をしなくちゃならない。日本のサッカーの構造、仕組みが変わっていかないと長い目で見れば強くならない」

2. ストライカーの育成(賀川氏)
「ストライカーそのものの質的にも何にしても高いわけじゃない。Jリーグでも点を獲る選手が増えましたけど、サッカーの大変なところは一番マークが厳しい相手が――、ペナルティエリアの中に入ったらファウルするからPKになるけど、それでも分からんように掴んだりしている。それを排除してシュートをして、尚且つ守備の専門家がいるわけだから。

守備の専門家はGKの専門のコーチについて毎日防ぐ練習をしているわけです。それ相手にシュートを決める専門家が専門の練習をしているのかどうかとなると今でも心細い。量なり質からいくと。そりゃ、なかなか点が獲れないはずですよ」

3. 日本人監督で2年(牛木氏)
「最初の2年間は日本人(監督)でやってみたらというのが僕の考え。アギーレは悪くはないと思うけど、4年前から雇う必要はあるのか。今までアジアカップで勝ってるけど皆外国人コーチです。一度日本人の力でアジアでナンバーワンになったらどうか。

W杯はW杯の経験があるアギーレみたいなのを雇ってもいいけど、最後の2年でいい」