コロンビア戦、フル出場を果たした大久保嘉人 (撮影/岸本勉・PICSPORT)

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2010年ワールドカップ、パラグアイにPKで負けた後、大久保嘉人は憔悴しきってミックスゾーンに現れた。そんなすり切れたような状態で今回現れたのは岡崎慎司だった。

「4年後は?」という質問が飛ぶ。岡崎はほんの少し考えて答えた。

「4年後は想像できないですね。今はどうやったらこの場所で勝てたのだろうと引きずっているし、勝っていたら自分たちがいけたのにという未練があるので。悔しいです。4年間やってきたことは何だったのだろうと」

■4年前に「もう代表はいい」と話していた大久保


前回の大久保は、同じ質問に「いや、もういいよ。もう代表はいい」と答えた。岡崎と同じような悔しさで一杯だったのとともに、合宿生活よりも家族と一緒にいたいという大久保にとってワールドカップは苦痛だったのだ。

だが父親の遺書をきっかけに大久保は変わった。今回のワールドカップでは3試合とも出場し、願いは叶ったはずだ。

大久保はこれで代表を引退するのか。

――前回はこれでもういいと言いましたね。これで代表は終わりですか?
「いや、そんなことないよ! まだ狙いますよ! 別のサッカーでやってみたいから!」

■コロンビア戦では出番がなかった遠藤


もう1人、引退するのではないかと推測されていた選手がいた。遠藤保仁だ。これまでザック・ジャパンの不動のボランチだったのが、本大会前から出場時間を減らし、とうとうコロンビア戦ではピッチに立つことなく終わったのだ。

――今日出番がなかったのはよくわからないのだが。
そう聞くと遠藤は「はは、ありがとうございます」と答えてきた。だがその声には悔しさが滲んでいる。

報道陣の質問が続き、遠藤がミックスゾーンを去ろうとしたとき「代表引退は?」という声が飛ぶ。

遠藤は歩きながら「そんなつもりはありませんから」と言い残した。

大久保と遠藤、ベテランたちの心の火はまだ燃えさかっている。

【取材・文/森雅史(クイアバ)】

▼ (右から2番目) この試合、遠藤保仁の出番は与えられなかった

撮影/岸本勉・PICSPORT


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