ドヤ顔で語れば映画通に思われる10のフレーズ!「ゴダールって本当に溝口健二好きだよね」
ここ最近、サブカルブームとかで、映画について語ることができると一目置かれるのだとか。しかし、映画を見る人が減っているだけあって、語れる人はなかなかいないそうです。そこで、あまり映画を見ない人でもブームに乗っかって語れるよう、年間200本の映画を見る映画マニアの千屋(せんや)さんに「ドヤ顔で語れば通っぽく思われるフレーズ」は何か聞いてきました。これさえ覚えれば、映画通に思われる……!?
■巨匠のオマージュを語れ!
――その作品をちゃんと見たことがなくても、ドヤ顔でさらっと語れば映画通に思われるフレーズはどんなものがありますか?
千屋さん 単純にフレーズだけで考えた場合、まずは昔の有名な映画のオマージュを語ることですね。例えば、
・「これは黒澤の『七人の侍』のオマージュ」
といった感じで。これで過去の名作の知識も持っていることがアピールでき、「おっ、映画を知っているな」と思われます。ほかにも、小津安二郎や溝口健二といった、数多くの外国人監督に大きな影響を与えた日本の巨匠について語れるとそれらしく聞こえますよ。
――例えばどんなフレースが通っぽく聞こえますか?
千屋さん そうですね……例えば
・「ゴダールって本当に溝口健二好きだよね」
なんていいかもしれませんね。フランスの巨匠、ジャン=リュック・ゴダールと日本の巨匠である溝口健二を同時に押さえたものですから、なかなか使えるフレーズだと思います。
■ ヌーベルバーグは押さえておけ!
――ほかにはどんな要素を入れたフレーズが通っぽく聞こえますか?
千屋さん 1950年代にフランスで起こった映画運動の「ヌーベルバーグ」に参加した監督について語ると通っぽいですね。先ほども登場したジャン=リュック・ゴダールはヌーベルバーグの代表ともいえる監督なので映画好きをアピールするにはもってこいです。
・「ゴダールの映画でまともに最後まで見られたのはない」
ゴダールの映画は難解で眠くなることで有名ですから、ゴダールの作品の特徴を押さえたフレーズは通ぶれますね。ゴダールの有名な作品である『気狂いピエロ』だけでもいいので、脇の知識を付けておくと語れる範囲が広まってさらに通っぽくなれますよ(笑)。
――なるほど。
千屋さん 同じように、監督の作品の傾向や演出を語ると本当に通っぽく聞こえます。多用するカメラアングルなんかも「映画をよく見ていますアピール」ができます。
――語るのはどんな監督でもいいのですか?
千屋さん いえ、やはり大作映画を担当していたり、大ヒットを連発している監督よりも、ミニシアターなどで上映されることが中心の監督の方がいいですね。一般には有名でない監督を知っている方が通っぽいですよね?
――なるほど。確かにそうです。
千屋さん ミヒャエル・ハネケやポール・トーマス・アンダーソン、ラース・フォン・トリアー、ウェス・アンダーソン、アキ・カウリスマキあたりを押さえておくといいですよ。これらの監督の手法や作品の傾向を語れば間違いなく通ぶれます。
――例えばどんなフレーズが挙げられますか?
千屋さん ミヒャエル・ハネケの場合だと、
・「不条理な展開だとやっぱりハネケ」
なんていいと思います。ハネケの作品は全体的に不条理なものが多いですから。しかし、近年公開された『愛、アムール』ではこれまでとは違う夫婦のきずなを描いています。こうした同じ監督の作品の傾向の対比を
・「『愛、アムール』はハネケっぽくないけど良かった」
なんて語るのもいいですよ。
■大作映画の監督は批判しとけ!
――大作映画の監督、例えば有名なスティーブン・スピルバーグなどはどうなのでしょうか?
千屋さん スピルバーグよりも、最近の娯楽大作映画を担当している監督、例えばマイケル・ベイなんかを批判しておけば通っぽいかもしれませんね。
・「マイケル・ベイとブラッカイマーの映画は車を横転させて爆発させるだけ」
といったように、マイケル・ベイとよくタッグを組む映画プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーも併せて批判しておくとなおいいでしょう(笑)。
――有名なタランティーノ監督はどうでしょう?
千屋さん あ、タランティーノは押さえておくといいかもしれませんね。
・「タランティーノの映画はストーリーに関係ない無駄な会話劇がいい」
なんてフレーズは通っぽく思われます。
――ほかにはどんなフレーズが通っぽさを醸し出しますか?
千屋さん 個人的には、
・「相米慎二といえば長回し」
・「ハーヴェイ・カイテルは昔のマッドな雰囲気が最高だった」
・「リチャード・ジェンキンスはどの映画にも出てる気がする」
の3つは映画を知っている人じゃないと話せない、通ぶったフレーズだと思います。一つのシーンを長回しで撮影することで有名だった相米慎二、年を取り温和な雰囲気になってしまったハーヴェイ・カイテル、名バイプレーヤーのイギリス人俳優リチャード・ジェンキンス。ぜひ使ってほしいですね(笑)。
通っぽく思われるフレーズを紹介しましたが、これらはあくまでフレーズ。細かいところを突っ込まれたらボロが出てしまう可能性もあります。突っ込まれない状況で使うか、バックボーンもしっかり勉強しておくなど、工夫して使ってくださいね!
(貫井康徳@dcp)