中国中央電視台(CCTV)はこのほど、中国版ツイッター・微博のアカウントで、中国による自衛隊艦へのレーダー照射問題について中国国防部による発表を伝えた。中国中央電視台によれば、中国軍の将官級幹部が「自衛隊の護衛艦に火器管制レーダーを照射した」と認めたと一部報道があったが、「事実に合致しない」と否定したという。

 共同通信によれば、取材を受けた中国軍の複数の将官級幹部が、攻撃用の火器管制レーダーを照射したことを認め、「艦長の緊急判断だった」と述べたと報道。中国でも「日本メディアによると」という形で報道された。

 しかし、中国国防省はレーダー照射を「事実に合致しない」と改めて否定。「日本側がマスコミを使って大げさに宣伝し、中国軍の面目をつぶして、国際社会を誤解させるのは、下心があってのことだ」と非難したが、結局はうやむやになってしまい、事実は闇の中となってしまった。  一連のやり取りについて、微博ユーザーからも「結局、照射したのか、それともしなかったのか? 明確な説明をしてくれよ」と、真相がどちらなのか分からず、混乱している様子だった。

 また、「口げんかが好きなんだな。オレは日本の言い分を信じるぜ。中国は一言も真実を話していない」、「オレは日本を信じることにする」など、レーダー照射があったのではないかというコメントも少なくなかった。

 同様に「真実の出来事もCCTV(中国中央電視台)を通すと嘘(うそ)に変わっちゃうからな」というコメントがあったが、インテリ層などを中心に中国中央電視台の報道を完全には信じていない中国人も多いようだ。(編集担当:畠山栄)