古代日本の「蹴鞠」を考える
大化改新のきっかけは?
(日本サッカー狂会会報「FOOTBALL」152号)
★「蹴鞠」と「打毬」
日本サッカー狂会の会報「FOOTBALL」には、毎号、ユニークな、おもしろい記事が載っている。
2012年12月発行のNo.152では、峩岑斉住人の「大化改新のきっかけはサッカー? ホッケー?」と題する記事が、面白かった。
古代日本(飛鳥時代)の朝廷クーデター「大化改新」(たいかのかいしん)を起こした中大兄皇子と中臣鎌足の出会いのきっかけになったのは「蹴鞠」だったという逸話がある。日本書紀巻二十四、皇極天皇三年正月の項に載っている。
実は書紀には「蹴鞠」とは書いてない。「打毱」とある。
この「打毱」が足でボールを蹴る「蹴鞠」であるのか、杖でボールを打つホッケー、あるいは馬に乗ってボールを打つポロのような競技であったのか? 学問の世界でも議論のあるところらしい。
★漢和辞典では「蹴鞠」
この逸話を知ってはいたが、どんな競技であったのかを考えたとはことはなかった。
「FOOTBALL」の記事を見て、はじめて関心を持って、とりあえず手元の漢和辞典「漢語林」を引いてみた。
「打」という字のところに「たたく、またける」とある。
「打つ」に「蹴る」という意味があるとは知らなかった。
さらに「打毬」の項には「けまり、蹴鞠シュウキク」とある。「鞠」「毱」「毬」と字体の違いはあるが、いずれもボールのことである。
岩波文庫版「日本書紀」(四)の217ページに注がある。そこには「打毬」には、2つの意味があるが「ここでは蹴鞠のこと」ある。その根拠も示してある。
足で蹴る競技(フットボール系)だったという説が、杖で打つ競技(ポロあるいはホッケー系)だったという説よりも有力なようである。
★玉木正之さんへの批判
いずれにせよ「打」とあるから「杖でボールを打つホッケーのようなもの」と早とちりしてはいけないことを知った。
ところが、スポーツライター玉木正之さんは、専門の研究者ではないにもかかわらず、著書の中で繰り返しホッケー説を主張している。
そこでサッカー狂会会員の峩岑斉住人が「玉木さんの主張の根拠はなんですか?」と問い合わせのメールを送った。それに対して玉木さんは、まともに答えないで、筋の通らない弁解をネット上で繰り返した。
そのやり取りを紹介したのが「FOOTBALL」152号に掲載されている記事である。「玉木正之氏の知的誠実さを問う」と副題がついている。
古代日本の蹴鞠と現代のサッカーとのつながりはない。
しかし、ボールを足で打つ競技のルーツの一つとして、もう少し勉強してみたいと思った。
(日本サッカー狂会会報「FOOTBALL」152号)
★「蹴鞠」と「打毬」
日本サッカー狂会の会報「FOOTBALL」には、毎号、ユニークな、おもしろい記事が載っている。
2012年12月発行のNo.152では、峩岑斉住人の「大化改新のきっかけはサッカー? ホッケー?」と題する記事が、面白かった。
古代日本(飛鳥時代)の朝廷クーデター「大化改新」(たいかのかいしん)を起こした中大兄皇子と中臣鎌足の出会いのきっかけになったのは「蹴鞠」だったという逸話がある。日本書紀巻二十四、皇極天皇三年正月の項に載っている。
実は書紀には「蹴鞠」とは書いてない。「打毱」とある。
この「打毱」が足でボールを蹴る「蹴鞠」であるのか、杖でボールを打つホッケー、あるいは馬に乗ってボールを打つポロのような競技であったのか? 学問の世界でも議論のあるところらしい。
この逸話を知ってはいたが、どんな競技であったのかを考えたとはことはなかった。
「FOOTBALL」の記事を見て、はじめて関心を持って、とりあえず手元の漢和辞典「漢語林」を引いてみた。
「打」という字のところに「たたく、またける」とある。
「打つ」に「蹴る」という意味があるとは知らなかった。
さらに「打毬」の項には「けまり、蹴鞠シュウキク」とある。「鞠」「毱」「毬」と字体の違いはあるが、いずれもボールのことである。
岩波文庫版「日本書紀」(四)の217ページに注がある。そこには「打毬」には、2つの意味があるが「ここでは蹴鞠のこと」ある。その根拠も示してある。
足で蹴る競技(フットボール系)だったという説が、杖で打つ競技(ポロあるいはホッケー系)だったという説よりも有力なようである。
★玉木正之さんへの批判
いずれにせよ「打」とあるから「杖でボールを打つホッケーのようなもの」と早とちりしてはいけないことを知った。
ところが、スポーツライター玉木正之さんは、専門の研究者ではないにもかかわらず、著書の中で繰り返しホッケー説を主張している。
そこでサッカー狂会会員の峩岑斉住人が「玉木さんの主張の根拠はなんですか?」と問い合わせのメールを送った。それに対して玉木さんは、まともに答えないで、筋の通らない弁解をネット上で繰り返した。
そのやり取りを紹介したのが「FOOTBALL」152号に掲載されている記事である。「玉木正之氏の知的誠実さを問う」と副題がついている。
古代日本の蹴鞠と現代のサッカーとのつながりはない。
しかし、ボールを足で打つ競技のルーツの一つとして、もう少し勉強してみたいと思った。
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