報道受付をしているとき、競技場正面入り口にグレーのマイクロバスが到着した。姿を現したのはノルブリッツ北海道の選手たちだ。時刻は12時30分を回ったところ。この日のキックオフは13時である。

ずいぶんとギリギリの到着だな――そう思った刹那、報道受付のスタッフから「本日のキックオフは14時に変更になりましたので」と告げられた。聞けば、ノルブリッツ北海道の選手たちは昨晩のうちに栃木入りする予定だったが、悪天候のため予定の便が飛ばず、急遽今朝の便に乗り換えて、ようやく今になって会場入りしたのだという。試合当日に空路で1時間、陸路で4時間の大移動。

その情報は、対戦相手の栃木ウーヴァの選手たちの耳にも入っていた。それが12月9日、JFL・地域リーグ入れ替え戦第一戦、キックオフ直前の出来事だった。

■栃木ウーヴァに「油断」を呼び込んだいくつかの要因
JFL・地域リーグ入れ替え戦は、地域リーグのチームが今季中にJFL昇格を果たせる最後の舞台。一方、迎え撃つJFLのチームからすれば、負ければ地獄。これまでJFLから地域リーグへ降格した企業チームや市民クラブの多くが撤退や解散に追い込まれている。

実際、今季のJFLの最下位が決定し、入れ替え戦への出場が決まったとき、栃木ウーヴァの井出大介監督は「地域リーグへ降格となれば、クラブそのものが解散に追い込まれる可能性は否定できないです」と漏らし、漠然とした不安を抱えているようだった。
「こういう状況ですから、12月の入れ替え戦までの間にトライアウトや他クラブのテストを受けたいと思っている選手もいると思います。そこはクラブとしても縛りつけるつもりはありません。ただ、もしもテストを受けるのならば黙って受けないで、必ずクラブに伝えるようにと選手たちには話してあります」

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■著者プロフィール


鈴木康浩


1978年生まれ、栃木県宇都宮市出身。作家事務所を経て独立。現在は栃木SCを軸にJ2からジュニアまで幅広く取材。サッカー小説も手掛ける。「サッカー批評」「週刊サッカーマガジン」「ジュニアサッカーを応援しよう!」などに寄稿している。


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