日韓スワップ通貨交換協定『凍結』で日の丸電気が大復活!?(2)
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ところが、いかにも政権末期の野田内閣というべきか。松下忠洋金融相は8月21日、閣議後の記者会見で「冷静沈着に行動しないといけない」と安住財務相を牽制、日韓の通貨スワップは「国際関係の上で円滑な金融システム作りも含め、必要だからこそできている仕組み。現時点で必要ないとは思っていない」と釘を刺すのを忘れなかった。
「閣内不一致というならば野田首相だって負けていません。本来は竹島問題などと切り離して検討すべきですが、拡大枠を維持すれば国民からブーイングを浴びる。といって元に戻すとか凍結すれば、韓国が自分のことを棚にあげて『日本はケンカを売った』と騒ぎ立てる。どっちに転んでもリアクションが大きいため、野田首相は結論をズルズル引き延ばそうとしているのです」(永田町関係者)
10月末までに内閣総辞職すればともかく、野田首相は嫌でも国家としての対応を迫られる。協定の白紙撤回はなくとも、常識的な落としどころは限度額を昨年の10月時点に戻すことだが、どちらに転んでも韓国経済を直撃するだけに深刻な軋轢は避けられない。
「韓国サイドからは、日本が協定を見直しても経済に大きな影響は及ぼさないだろうとの観測しきりですが、欧米の経済アナリストは『単なる強がり』と冷ややかです。韓国は経済を牽引してきた輸出に陰りが見え、早々と“経済失速”を危惧する声さえくすぶっている。何せ輸出額は国内総生産比で50%を超えています。日本は10%半ばだから、韓国の輸出依存度は突出している。これで輸出に急ブレーキがかかったら日本が味わったバブル崩壊の比では済みません」(大手証券マン)
サムスン電子に代表される韓国企業が、パナソニックやソニー、シャープなどの“日の丸電機”を蹴落として業界の勝ち組に躍り出たのは、ウォン安を背景に輸出でタップリ潤ってきたからに他ならない。そのウォンの信用力をシッカリ支えてきたのが日韓通貨スワップ協定、即ち日本マネーによる強力な後ろ盾だった。大手証券マンが続ける。
「ソニーに至っては優秀な人材がサムスンなどに次々とヘッドハンティングされた。当然、ソニーが誇る技術も流出している。その揚げ句、光り輝くサムスンとは裏腹に、ソニーは赤字垂れ流しの体たらくに陥っている。しかし、これで韓国経済が失速し日本マネーの下支えがなくなれば、サムスン王国とソニーの立場は再逆転するでしょう」
実は今年の5月、日本政府は韓国経済を支えるべく血税による国債購入も決めている。通貨スワップと並ぶ“切り札”を手にしたことで李大統領が強気になったのだとすれば、これほどの皮肉はない。
ともあれ、いつ日韓“経済戦争”が勃発しても不思議ではない。まさに日本海、波高しである。
・日韓スワップ通貨交換協定『凍結』で日の丸電気が大復活!?(1)
ところが、いかにも政権末期の野田内閣というべきか。松下忠洋金融相は8月21日、閣議後の記者会見で「冷静沈着に行動しないといけない」と安住財務相を牽制、日韓の通貨スワップは「国際関係の上で円滑な金融システム作りも含め、必要だからこそできている仕組み。現時点で必要ないとは思っていない」と釘を刺すのを忘れなかった。
「閣内不一致というならば野田首相だって負けていません。本来は竹島問題などと切り離して検討すべきですが、拡大枠を維持すれば国民からブーイングを浴びる。といって元に戻すとか凍結すれば、韓国が自分のことを棚にあげて『日本はケンカを売った』と騒ぎ立てる。どっちに転んでもリアクションが大きいため、野田首相は結論をズルズル引き延ばそうとしているのです」(永田町関係者)
「韓国サイドからは、日本が協定を見直しても経済に大きな影響は及ぼさないだろうとの観測しきりですが、欧米の経済アナリストは『単なる強がり』と冷ややかです。韓国は経済を牽引してきた輸出に陰りが見え、早々と“経済失速”を危惧する声さえくすぶっている。何せ輸出額は国内総生産比で50%を超えています。日本は10%半ばだから、韓国の輸出依存度は突出している。これで輸出に急ブレーキがかかったら日本が味わったバブル崩壊の比では済みません」(大手証券マン)
サムスン電子に代表される韓国企業が、パナソニックやソニー、シャープなどの“日の丸電機”を蹴落として業界の勝ち組に躍り出たのは、ウォン安を背景に輸出でタップリ潤ってきたからに他ならない。そのウォンの信用力をシッカリ支えてきたのが日韓通貨スワップ協定、即ち日本マネーによる強力な後ろ盾だった。大手証券マンが続ける。
「ソニーに至っては優秀な人材がサムスンなどに次々とヘッドハンティングされた。当然、ソニーが誇る技術も流出している。その揚げ句、光り輝くサムスンとは裏腹に、ソニーは赤字垂れ流しの体たらくに陥っている。しかし、これで韓国経済が失速し日本マネーの下支えがなくなれば、サムスン王国とソニーの立場は再逆転するでしょう」
実は今年の5月、日本政府は韓国経済を支えるべく血税による国債購入も決めている。通貨スワップと並ぶ“切り札”を手にしたことで李大統領が強気になったのだとすれば、これほどの皮肉はない。
ともあれ、いつ日韓“経済戦争”が勃発しても不思議ではない。まさに日本海、波高しである。