ロンドン五輪は、水泳、柔道、女子サッカーをザッピングしながら見ていたのだが、柔道男子60kg級の平岡拓晃にくぎ付けになった。

この選手、北京五輪では、無名選手に初戦敗退した。柔道男子五輪代表は、今回は全員若返ったのだが、平岡だけが雪辱を期してメンバー入りしたのだ。

中継はフジの竹下陽平、解説は金丸雄平。金丸は平岡の大学の先輩であり、平岡同様、北京で一回戦敗退している。この人の平岡への思い入れが半端じゃないのだ。

準々決勝は、フランスのミル。残り30秒で有効をとられ、絶体絶命のピンチになったのだが、この頃から金丸さんが壊れていく。

残り7秒で、平岡が足技。

金丸「有効、有効!」

有効ポイントが入って、何とか追いつく。

3分間の延長戦。

平岡、小内足払いでサドンデスを制したかと思ったが、副審二人が呼ばれ、有効取り消しに。

スタンドで見ている篠原監督の巨大な顔が曇る。

平岡は次々に技を繰り出す。寝技に持っていこうとする。

金丸「やれるやれるやれる!」

呪文のようだ。

踵返しの瞬間に試合終了、判定で平岡。準決勝進出だ。

ここでテレビ朝日は、ロンドンのスタジオに切り替わる。

テレ朝五輪のテーマ曲を歌っている福山雅治、松岡修造、吉田秀彦。このスタジオは現場とは全く違う空気。何と、松岡が福山をよいしょしまくっているのだ。

準々決勝の前にも、
福山「平岡は落ち着いてきていますね」
松岡「きてる!やっぱり」
なぜか感心していたが、試合のあとも、吉田ではなく福山にコメントを求めている。

斜に構えた福山が
「(平岡は)延長になって、足技を狙っていたんじゃないかと、そこを見逃したくなかった」
松岡「さすが」

何じゃこれは。