オランダ球界に、また1つ悲しいニュースが飛び込んできました。オランダ王立野球・ソフトボール協会(KNBSB)は、オランダ代表ユニフォーム25着が、同チームの用具担当であるトーン・メイルゾーン氏の車ごと、盗難被害にあったと発表しました。

 このユニフォームは、昨年のIBAFワールドカップ@パナマで、見事優勝したオランダの選手たちが、実際に試合中に着用していたもの。盗まれたのは、グレーとオレンジを基調とするビジター用ユニフォームで、現地時間の明日11日に行われる、今年最初の代表チームの練習でも着用される予定となっていました。既に、盗難の件は警察にも被害届が出ているそうですが、KNBSBでは万が一、何らかの形でユニフォームを入手した場合、すぐに代表チーム広報のティジャーク・スミーツ氏に、連絡を入れてほしいと伝えています。

 もちろん推測の域を出ませんが、この一件がユニフォームの転売目的である可能性は高いと見ます。世界一になったチームの選手たちが、実際に着ていたユニフォームですから、確かにプレミアものではあるでしょう。こうした事件が起きたのは、ある意味ではオランダにおける野球が、それだけ価値があると認められてきたことの証左ではあるかもしれません。

 しかし、たとえどんな理由があろうが、窃盗という行為が許されていいはずはありません。まして、今回の一件では国家代表チームが被害者であり、KNBSBという競技連盟を巻き込んだ以上、その罪は非常に重い。組織名称にもある通り、KNBSBはオランダ王室が拠出する資金で運営されている協会です。その協会にケンカを売ったということは、ある意味では国の象徴である王室にも、損害を与えたとも言える。俺はオランダの刑法の内容までは把握していませんが、それなりに重い罪になる可能性は高いと見ます。少なくとも、単なる出来心で済まされる問題じゃないでしょうね。

 とにかく、盗まれたユニフォームが早く、協会と選手たちの手に戻ることを祈りたいと思います。今年はハーレムベースボールウィークに加えて、自国開催のヨーロッパ選手権もあることですし、何とか早い段階で、無事に解決するといいですね。