ツアー4戦目でようやく今季初V。西堀健実(左)は代表のプライドもあり、相当気合いが入っていた
 ビーチバレー国内ツアー第4戦大阪オープン最終日は4日、靭テニスセンター(大阪市)にて男女決勝、3位決定戦が行われた。女子決勝は浦田聖子(千の花)・西堀健実(丸善食品)組がフルセットの末、田中姿子(エコ計画)・溝江明香(産能大)組を下し優勝。男子は井上真弥・長谷川徳海組(フリー)が勝ち今季2勝目を挙げた。3位には草野歩(フリー)・永田唯(鹿屋体育大)組、西村晃一・Moca Moises組(WINDS)が入った。

 女子決勝の2チーム、浦田・西堀組と田中・溝江組の対戦は今季2度目。前回、5月の名古屋大会では浦田・西堀が0−2(9-21,18-21)と一方的に負けている。

 その浦田は今大会、右足首の怪我を抱え動きに精彩を欠いていた。負けなしで決勝まで進んだが、1回戦から全てフルセットと苦しんでいる。しかもシーズンは後半に入ったがチームはいまだ未勝利。代表チームとしても不甲斐ない成績で、どうしても優勝の二文字が欲しい決勝だった。

 「代表で一緒に練習しているので、手の内はわかっている」(浦田)相手との試合はサービスがカギとなった。田中・溝江は当然、浦田を狙ってくるが、西堀は田中へ打っていく。「一度打ったら、足が動いていなかったので狙っていった」実は田中も足の故障が癒えず、いつものパフォーマンスではなかった。

 「相手も非常にいいサーブを打ってくる」と西堀が話すように、双方ともにサーブで揺さぶりをかけ相手を崩す作戦。そのためギリギリを狙った結果、サービスミスも多くリズムに乗れない展開となった。第1セットは田中に攻撃を集中させた浦田・西堀が取る。しかし立ち直りをみせた田中が何とかサイドアウトを切り、第2セットは田中・溝江へ。西堀が話す。「第2セットは(田中)姿子さんを狙い過ぎた。立ち直っても狙ってしまった」

 第3セットも序盤、田中にレシーブさせていく戦術だったが、シーソーゲームとなると狙いを溝江にスイッチ。いつもは狙われている溝江だが、この変化に対応できずレシーブは乱れ攻撃は崩された。ここから流れは浦田・西堀に。突き放した2人は15-10で最終セットを取った。

 溝江は敗因を「サーブのミス。レシーブも簡単にミスするからトスもネットに近くなったりしてしまった。第3セットでは私にサーブが来たときに切り返せなかった…」と話した。

 浦田・西堀はようやく今季初優勝。シーズン前半は怪我による欠場、棄権などもあり波に乗れなかった。しかし、これでチームは上向きに。反則を取られやすく難しいが攻撃力がアップするオーバーハンドトスも積極的に使っており、世界で戦うため、五輪に向け、技術も身につけてきている。浦田は「国内のシーズン後半は全部勝つつもりでいく」と話した。

結果は次の通り
□女子3位決定戦
金田/村上 0(15-21,23-25)2 草野/永田

□女子決勝戦
田中/溝江 1(13-21,21-18,10-15)2 浦田(聖)/西堀

□男子3位決定戦
長谷川(翔)/畑辺 1(17-21,21-18,10-15)2 西村/Moca

□男子決勝戦
井上/長谷川(徳) 2(21-19,21-18)0 青木/白鳥

■初のツアー参戦で3位、永田唯(鹿屋体育大)
正直ここまで来られるとは思わなかった。練習では全然ダメだったけど、あゆさん(草野)に「思いっきりやろう。私がカバーする」と言われて気持ちが変わった。大会の初めは緊張していたけど、段々慣れてきた。今日は昨日のようなミスが出なかったので良かったと思う。

■Mocaとのペアで3位入賞、西村晃一(WINDS)
Mocaはマジメな性格でとても緊張していた。コンビネーションがうまくいかなかったのと常に100%でプレイするため、軟攻に対応できていなかった。

■今季2勝目、井上真弥・長谷川徳海組(フリー)
ビーチバレージャパンで悔しい思いをしたので絶対勝ちたかった。相手もポジションチェンジをしたりしてきたが常に冷静にプレイできた。勢いだけではいけないと、前回の負けで精神的なステップを踏めたと思う。

(取材・文=小崎仁久)

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