敗戦後、茫然自失の井上真弥(右)と長谷川徳海(左)。初優勝まであと1セット、昨年の雪辱を遂げたかったが、またも王者白鳥の前に屈した
 第25回ビーチバレージャパン最終日は13日、鵠沼海岸(神奈川県藤沢市)にて男女準決勝、決勝が行われた。

 男子は、およそ10日前に新チームを結成した日本代表、青木晋平・白鳥勝浩組が、第1シードの井上真弥・長谷川徳海組を逆転で下し優勝。白鳥は個人としてビーチバレージャパン10連覇を飾った。

 女子は互いに本来のパートナーをケガで欠き、即席チームで出場した田中姿子・草野歩組が優勝。連覇を目指していた浦田聖子・西堀健実組、浅尾美和・松山紘子組は3位に終わった。

 井上・長谷川は、またも日本一に届かなかった…。この大会、第1シードで迎えた2人は順調に勝ちを重ねてきた。決勝の相手、白鳥からも「今一番強いチーム」と認められ、今後の彼らにとって大きな意味のある戦いだった。

 昨年も決勝まで進み、当時の絶対王者、朝日・白鳥組から1セットを取るものの惜敗。その後、日本代表としてアジア大会を戦ったが、今年、ロンドン五輪を目指す代表からは外れる。しかし海外遠征で結果が出ない青木、白鳥を含む代表チームは、五輪まで1年を切った今月、急にペアを変更する。代表チームの力は大きく落ち込み、アジア大陸予選突破へ緊急事態だが、2人はそれを外から眺めているしかない。

 様々な感情を胸に、「絶対に勝たなくてはいけない」(井上)試合は始まった。

 第1セット。「強打でいくと決めていた」と話す長谷川のスパイクとブロックが面白いように決まる。リズムよく21−16で取ると第2セットへ。ここで青木・白鳥がサーブの狙いを変更。青木の強烈なジャンプサーブは長谷川へ、白鳥のフローターサーブは井上へ。揺さぶりをかけ始める。ただ、長谷川の勢いを止めることが勝利を引き寄せるとの考えは変わらず。

 新チームになり久々のブロッカー役となった白鳥も、徐々に長谷川のスパイクにタイミングが合ってくる。「ブロックはそれほど脅威ではなかったが、スパイクが低くなると捕まってしまう」(長谷川)白鳥のブロックポイントが増えるとともに試合の流れは代表チームへ。井上・長谷川は第2セットを落としてしまう。

 このままズルズルいってしまうかと思われたが、井上は「しっかり切り換えはできていた。ポイントは第2セットを落としたことではなく最終セット」と話すように序盤、2人は盛り返した。しかし拾えたボールを攻撃に生かすことができず、流れは戻り切らない。最後は離され12−15で試合は終わった。
 
 井上は「いつも同じく負けているように見えるだろうが、僕らは試合ごとにひとつ上の感覚を得ている。この大会がすべてではない」と話し、長谷川も「この負けで何かを変えるということではない。いつも通りこれからもやっていく。僕らはオリンピックを目指して出来る限りやっていくことに決めている」と語った。

 ワールドツアーのポイントを重ねると、国として大陸予選を突破しなくとも、個人として五輪出場権を得ることができる。ただしその枠はポイントランク上位16チーム。扉は限りなく狭いが開かれている。彼らの戦いは続く。


主な結果は次の通り。

■男子準決勝
井上/長谷川(徳) 2(21-16,21-17)0 長谷川(翔)/畑辺
朝日/今井 0(17-21,8-21)2 青木/白鳥
■男子決勝
井上/長谷川(徳) 1(21-16,18-21,12-15)2 青木/白鳥

■女子準決勝
草野/田中 2(21-19,21-16)0 浅尾/松山
浦田(聖)/西堀 1(21-14,17-21,18-20)2 金田/村上
■女子決勝
草野/田中 2(21-15,21-15)0 金田/村上


■新ペアでいきなり優勝、青木晋平・白鳥勝浩
準備が足らない中、タイトルを取れたのは嬉しい。チームとして良い出だしになった。相手は今一番強いチーム。まだまだ、その場しのぎだが、それぞれが出来ることをやった。(新チームは)日本代表監督の考えであり、それを受け入れた。変えざるを得ないし、変えるなら今しかなかったと思う。