日本政府、盗難文化財の再調査を韓国政府に要請
日本政府が、日本で盗難された重要文化財について韓国政府に再調査を依頼していたことが明らかになった。4月28日に日韓図書協定が衆議院を通過した直後、外務省が駐日韓国大使館を通じて再調査を要請した。韓国の複数メディアが9日伝えた。
報道によると、日本政府が再調査を要請したのは長崎県の安国寺が所有していた「高麗版大般若波羅蜜多経」と兵庫県の鶴林寺にあった「絹本著色阿弥陀三尊像」で、両方とも国の重要文化財に指定されたものだ。
「高麗版大般若波羅蜜多経」は1994年7月に長崎県の安国寺から盗まれた。翌年の95年6月に韓国の国宝284号として指定された「初雕本大般若波羅蜜多経(第162巻・第170巻・第463巻)』と特徴が一致するとして韓国政府に調査を依頼したが「確証がない」との理由で調査は行われなかった。
一方、加古川市の鶴林寺にあった「絹本著色阿弥陀三尊像」は2002年7月に韓国人会社員が盗み韓国に持ち込んだとされる。その後、韓国の大邱市にある寺で発見されたが、盗品とは知らずに布施された場合は所有権が認められるため、寺側は日本への返還に消極的で、日本への返還は事実上難しいとされる。
韓国メディアは「高麗時代の文化財が韓国に密輸入されたことに対して日本政府が調査を依頼した」、「1995年にも『大般若波羅蜜多経』が韓国の国宝『初雕大蔵経』に類似すると調査を依頼したが、根拠が明確でないため調査せずに終了した」などと伝えた。
同話題を取り上げた韓国メディアは日韓図書協定による図書の引き渡しについても言及、「日本が『朝鮮王室儀軌』を返還するとして、90年代の盗難文化財についての調査を依頼した」と、外務省の再調査要請はそれに合わせた動きであるとの見方を示した。(編集担当:金志秀)
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