22日付の中国紙「環球時報」は、前原誠司外相のインタビュー記事を掲載した。前原外相は「中国13億国民のよき友でありたい」、「私はタカ派ではない。現実主義者」と発言などと紹介した。しかし、インターネットでは「うそだ」などの書き込みが相次いでいる。中国新聞社は「タカ派でないと“自称”した」と報じた。

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 22日付の中国紙「環球時報」は、前原誠司外相のインタビュー記事を掲載した。前原外相は「中国13億国民のよき友でありたい」、「私はタカ派ではない。現実主義者」と発言などと紹介した。しかし、インターネットでは「うそだ」などの書き込みが相次いでいる。中国新聞社は「タカ派でないと“自称”した」と報じた。

 前原外相は、「外相に就任してから、両国関係の発展のため、日中の先人が多くの木を植え、育てたことを改めて痛感した。先人が植えた木を大切に育てていけば、われわれは必ず、中国13億人のよき隣人になれる」などともべた。

 日中間にさまざまな問題が発生しがちであることについては、「日本も中国も自らの国益を出発点として外交を展開する」、「私は自分をタカ派と思わない。崇高な理想を持つ現実主義者だ」と述べた。

 中国の今後については「1人あたりの国内総生産(GDP)からみで、大きな発展の余地がある」との考えを示し、「日本も、中国がバランスを保ち、安定して透明さをもって発展してほしいと願っている。日本も、中国のこの方向の発展に全力で協力する」と述べた。

 9月に尖閣諸島近海で中国漁船が日本の海保・巡視船に衝突した事件が発生して以来、中国メディアは日本政府を厳しく非難。環球時報は11月1日付の1面を前原外相批判の記事で埋めた。22日付のインタビュー記事は、「対決姿勢の修正」とみることもできる。

 ただし、インタビュー記事掲載後も、インターネットでは前原外相非難の声が圧倒的に多い。環球時報系のニュースサイト、「環球網」には、「笑顔を見せながら後ろから切りつける。典型的な日本人」、「だれが、信じるものか」、「ロシア首相が島(北方四島)に上陸して、苦しくなったので中国を友だちと言い出しただけ」など、対日不信をあらわにするコメントが並んだ。

 同サイトが行ったアンケート調査では、「前原外相が対中強硬姿勢を変更すると思いますか」との問いに対して「変更するかもしれない」が7.9%、「変更するわけがない」が92.1%。

 中国新聞社は前原外相の「タカ派ではない」との言葉を“自称”と紹介し、発言どおりに受けとめられないとの見方を示した。(編集担当:如月隼人)



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