イチローの2打席連続ホームランも勝利には結びつかなかった。21日、ニューヨークで行われたヤンキース戦で、マリナーズは初回に2点を入れたが、すぐに逆転され、最後まで勝ち越すことはできなかった(8月21日付公式HP)。

 1回、イチローの先頭打者ホームランの余韻が残るなか、ラッセル・ブラニヤンが特大のホームランを放ち、マリナーズは早々と2点をあげた。ところが、その裏、先発ジェイソン・ヴァルガスがあっという間に4失点。

 3回、イチローが再び先頭打者ホームランを放つと、マリナーズは2アウトからさらに1点を加えて同点としたが、7回途中からヴァルガスをリリーフしたジェイミー・ライトが3点を献上。マリナーズは8回に走者2人を出したが、ヤンキースは守護神マリアノ・リベラを投入してピンチを切り抜けた。

 マリナーズは9回に1点を加えて粘りを見せたが、結局、9対5で負けた。

 イチローの1試合2ホーマーは今季初で、通算5度目だったが、話題の中心はブラニヤンの特大ホームランと、8回のケイシー・コッチマン一塁手の失策だった。ブラニヤンのホームランはスタンド4階に飛び込んだが、ヤンキース新球場でここまで飛んだのは初めてのことだった。また、コッチマンの連続無失策記録は274試合で、一塁手としては史上最長記録だった。

 ところで、2本塁打が飛び出したイチローについて、打順をあげるべきかという議論が再び持ち上がっている。シアトルの地元紙がウェブ上で読者調査を始めた。

 イチローは打率.311で、シーズン209本のペースでヒットを量産しているが、一方、得点は自己最少の72にとどまる計算だ。ホームランを2本打ったことでもわかるように、イチローには長打力がある。ペナントレースから脱落した今、打順の入れ替えを試すよい時期といえる。

 得点力をあげるためにイチローの打順を3番にあげるべきかどうかを問いかけた調査の途中経過は「1番にとどめるべき」がおよそ32パーセント、「代理監督のもとでは動かさないほうがよい」がおよそ5パーセント、「ショーン・フィギンズと入れ替える」がおよそ19パーセント、「3番にあげるべき」がおよそ44パーセントとなっている。