■主審：Ravashan IRMATOV(UZB)
　採点：4

　試合開始前、握手がFIFA会長や大統領などの要人と会話をするのは良く見る光景だが、この日は選手以上の主役がいた。IRMATOV主審はFIFA会長に話しかけられ、さらに大統領とも会話をした。
　日本ではありえない光景だが、FIFAが審判を大切にしているのが垣間見えたシーンだった。
　また、試合前のコイントスを行った後の選手との握手、そして審判同士の固い握手。選手にドラマがあるように審判にもドラマがあるのだ。

　そんな名誉ある審判を務めたIRMATOV主審は立ち上がりから丁寧にファウルをとり基準を作っていく。
1分、南アフリカのホールディングをとる。3分にも後ろから押したメキシコファウル。

　それにしてもメキシコがポゼッションし、南アフリカがブロックを作っている時の主審のポジショニングはさすがの一言だ。互いの戦術を理解し、最終ライン付近にポジションをとる。

6分にもボールに対して競っていないということでメキシコファウル。8分、裏からチャージした南アフリカファウル。直後のコンタクトはボールにプレーできているということでノーファウル。

13分には足にチャレンジする格好になった南アフリカ選手に対し注意を与え、ファウルに対しての意識をさせる。

14分のPA内でのスライディングタックルはすばらしいポジションでみていた。
16分、パス＆ゴーしようとする選手を腕でとめようとする意図があったとしてファウル。

18分、意図的にリスタートを遅らせたJUAREZに警告。
20分、足元にスライディングタックルする格好となったが、無謀ではないと判断しノーカード。

27分、ドリブル突破に対し意図的に裏から手でファウルしたDIKGACOIに警告。
37分のオフサイドも副審がよくみていた。

57分、パス＆ゴーで抜けようとした所を体当たりで止めたTORRADOに警告。
58分にもホールディングをしっかいろとる。

64分にメキシコ選手へのスライディングタックルは足にふれていない。直後の競り合いは、ボールに向かおうとしたDFに逆に足を出したためひっかかったということでノーファウル。開催国有利の判定に見えたかもしれないがそうではない。

67分のスライディングは互いにということだろうが、南アフリカのファウルのような気もする。

69分、抜け出した南アフリカ選手に斜めからチャージ。肩同士でプレーできる範囲内ということだろう。裁量内の判定だ。
70分、無謀に足にスライディングタックルしたMASIELAに警告。
80分の南アフリカのスライディングタックルには警告がでるかと思ったが無謀ではないということか。

　終盤、微妙に見える判定があったかもしれないが、全体的に非常に妥当な判定で、普通に試合を終わらせたといえる。Livedoorに寄稿したが、日本では体感できない雰囲気があった。そのなかで主審を務めるのは容易ではないことも付け加えておきたい。それこそ、細かくファウルをとるなどの丁寧さも必要になる。

最後に。メディアシートには3席に一つTVが配置されていて、それはオフサイドの判定時、リプレーが流れ、最終ラインの線（海外リーグの放送でよくある）が出る。なので、副審の判定は一目瞭然。さすが、FIFA。素晴らしい。
また会場にもTVと同じ映像が流れ、当然、微妙な判定のリプレーも流れます。W杯の主審を務めるのは本当に大変だなと思いました。

〜採点基準〜
5:彼なしに試合はありえなかった
4:普通に試合を終わらせた
3:ミスにも見えるシーンがあったが、試合に影響はなかった
2:試合に影響はなかったかもしれないが、カード・得点に対する微妙なシーンがあった
1:ミスから試合の流れを変えてしまった
0:試合を壊してしまった

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