ラツィオとの契約解消が認められたFWゴラン・パンデフは、これからどこへ行くのだろうか？　イタリアに残るのであれば、彼はインテルへ行くだろう。国を変えることを決断したら、セビージャがゼニト・サンクトペテルブルクへ行くはずだ。ラツィオ側は一般法廷へ訴え出ると脅しているが、パンデフはラツィオへの移籍金を考えずに、新しい契約を結ぶことができる。

契約解消が認められた当日、すでにパンデフはイタリアに残りたいと話した。これから彼は家へと戻り、バカンス中に考えることとなる。彼はサラリーよりも、重要なチャンスを求めているのだ。おそらくは、スタメンの座を願っている。

その意味で、セビージャは魅力的な行き先だろう。ルイス・ファビアーノはケガしており、CSKAモスクワとのチャンピオンズリーグ決勝トーナメント１回戦に欠場する恐れがある。アルバロ・ネグレドはシーズン後にレアル・マドリーへ戻る可能性があり、フレデリック・カヌーテは32歳だ。そのため、現在スペインで３位につけているセビージャが、パンデフにとって大きな未来となるかもしれないのである。一方、ゼニトのルチアーノ・スパレッティ監督は野心的なプロジェクトを提示できるし、パンデフに対する評価を“保証”することができる。

以前からパンデフを追っているインテルの幹部は、火曜夜にパンデフの代理人を務めるカルロ・パッラヴィチーノ氏と会談している。だが、インテルはラツィオに失礼をしたくないとも考えており、合意の上での解決策を見つけようと試みている。そのため、インテルからのオファーが魅力的なのにもかかわらず、パンデフは時間をかけているのだ。

一方、ラツィオのクラウディオ・ロティート会長と問題をつくりたくないミランが、パンデフ争奪戦から身を引いたのは決まりのようだ。では、ユヴェントスはどうだろう？　どうやら、今は移籍金ゼロで同じラツィオのMFクリスティアン・レデスマを獲得する方により関心があると見られる。

そのレデスマについても、ラツィオは同様の問題で１月から審理に立ち向かわなければいけない。今シーズン終了後に契約が満了となる予定だったパンデフと違い、レデスマの契約は2011年までだ。つまり、パンデフが受けた以上に、レデスマがプロとして被った損害は大きくなるということである。パンデフに対してラツィオは16万ユーロ（約2100万円）の損害賠償支払いを命じられたが、ロティート会長はレデスマに対してさらに高額な賠償を求められるかもしれない。