何十億円の移籍金が動く、トレーダーの引き抜き合戦が始まった。ついに、高級時計に高級外車、そして億ションが飛ぶように売れる時代の再来だ。(バックナンバーはこちら

■不況知らず ますますの盛り上がる富裕層ビジネス

「富裕層は健在 消費意欲なお」――。そんな記事が、『日経MJ』の09年11月18日付紙面を賑わせている。ここでいう富裕層とは、金融資産1億円以上、または世帯年収3000万円以上の人たちで、株安による打撃が大きいといわれる富裕層でも、高額品への消費意欲はまだまだ健在である。例えば、 「一泊食事別で6万9000円〜」 こんな旅館が人気を集めている。その名は「星のや 軽井沢」だ。

 リゾート施設の再生の仕掛け人、星野佳路氏が手がける富裕用向け超高級旅館である。何ヵ月も先まで予約が取れないほど好調で、この冬の12月には京都にも開業し、その後沖縄の竹富島や静岡の富士にも進出する予定である。

 海外旅行では、ウィーン国立歌劇場のオペラ観賞などの値段が張っても希少価値の高いツアーが好評で、富裕層にとって旅行は最大の関心事で、不況の影響はまったくない。

 クルーズ業界も富裕層への積極的な取り組みを強化している。商船三井客船が保有・運航する大型クルーズ船「にっぽん丸」では、最高級クラスのスイートルームを増設して、ひとり1泊20万円程度に設定する。

 また、海外ブランドメーカーは日本の市場を攻めあぐね苦戦中なのだが、富裕層相手には善戦している。最近、スイスの高級腕時計「ジャケ・ドロー」などいくつかの高級ブランドが連携して、「各ブランドの顧客や、純金融資産1億円以上が入会条件の交流サイト『YUCASEE(ゆかし)』の会員など300人以上を集めたイベントが、東京都内で開催された。ジャケ・ドローでは後日、招待客3人が1個平均約250万円の腕時計を購入している。

 ちなみに『日経MJ』の調査によると、富裕層が過去1年以内に購入したブランドは「ルイ・ヴィトン」が1位、そして2位が「エルメス」だった。富裕層の好きなブランドでもエルメスは支持が高かった。

 なぜなら、この2社はアウトレットに出店しないなど、自社ブランドの価値を守っているので、富裕層には安定した人気があるからだ。流行に左右されず、何十年経っても価値の変わらない点が評価されているのだろう。

 この不況時に衣料費を減らす人がほとんどだが、富裕層は増やしたという人が多く、自身の「こだわり」には、お金に糸目はつけず出費することが表れている。

■売れ行き絶好調の億ション

 まだまだ景気のよい話は尽きない。  東京・新宿御苑に臨む平均1億3000万円の立替マンション「プラウド新宿御苑エンパイヤ」は、9月に販売開始して即日完売。三菱地所が再開発した東京・麻布の「麻布台パークハウス」の最高級の8億4000万円の部屋が先行販売で成約済み。

 そして、三井不動産レジデンシャルが売り出した「パークシティ浜田山」は、億ションが中心だが売れ行き絶好調で完売間近となっている。

 富裕層の高額不動産への関心は相変わらず高く、1〜9月の首都圏の1億円以上の販売動向は、発売最初の月に契約した戸数の割合が6割余りということで、前年度に比較して高くなっている。3〜5年前より高額物件の価格が下がり、お買い得感が出ていることが好調につながっているようだ。

■高級外車も売れに売れている

 ベンツ、BMWなどの高級輸入車市場も好調だ。(次ページへ続く)


ビリオネア・リサーチ・グループ[著]

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