たむらぱん(撮影:野原誠治)
 佐藤健と佐々木希がやわらかダンスを披露するロッテ新商品ガム「Fit's」のCMで、「噛むとフニャンフニャン♪」という印象的な歌声を披露した、たむらぱん。CMオンエア後に配信された「佐藤健バージョン」と「佐々木希バージョン」の着うた(R)は、レコチョク週間ランキングで異例の2曲同時トップ10入りを記録。6月3日には、各方面で絶賛されたデビューアルバム「ブタベスト」に続く、待望のセカンドアルバム「ノウニウノウン」を発売した。

――デビューアルバム「ブタベスト」発売時に初めてインタビューしてから1年が経ち、もちろんメジャーデビュー前にはインディーズで活動されていたわけですが、この1年間で変わったと感じる部分はありますか?

たむらぱん:MySpaceを始めて「ブタベスト」をリリースするまでと1番分かりやすく変わったのは、お客さんが観に来てくれるようになって、ライブに対する考えとか感じ方がちょっとずつ変わってきたんと思います。この1年ライブをする機会自体も多かったし、何回かワンマンをやる中で、今までは音楽を作ることがメインだったんですけど、作ったものを発表したり、作って以降も「次はこうする」とか「こういう風がいい」とか色々と思い描くようになったのは1番大きい気がしますね。

――以前と比べて、レコーディングの時もお客さんの姿をイメージしたり、ライブで演奏することをより意識するようになりましたか?

たむらぱん:そうですね。今回、アルバムの中の曲に色んな想いがある中で、ライブでやった時に盛り上がれたり、楽しめる曲というのもメインの1つだったんですよね。

――「楽しめる」という言葉が象徴的だと思いますが、もっと過去にさかのぼると、自分が音楽を仕事にする初期衝動というか、どんなアーティストになりたい、どんな歌を歌いたいというのは以前から変わらないのか、この1年でお客さんを意識するようになって変わってきたと思いますか?

たむらぱん:音楽を仕事にする時点で、「エンターテインメントという職業」って言うと変なんですけど、そういうのがやりたかったハズなんです。でも、そういう意識はありつつも、出来ていなかった所があると思うんですよね。純粋に「どうやったらいいのか分からない」とか、誰も見ていない中で一人でやるほど強くはない、みたいな(笑)。ライブに来てくれる人を目で見て分かるというか、そういうことを純粋に自分が認識できてきたから、やっとできるようになったという感じだと思うんですよね。

――一方的に主張して自己満足できるタイプというよりは、自分の音楽を聴いてくれる相手がいて初めて成立するような。

たむらぱん:そうですね。

――1年前に「ブタベスト」を初めて聴いた時に感じた以上に、今回の「ノウニウノウン」はアレンジがすごいことに…若干、変態じみているくらい。

たむらぱん:はい(笑)。

――制作前に、どんなアルバムにしたいかイメージしていたことはありましたか?

たむらぱん:全体的にテンションが高いみたいなものはあったんですけど、メインはサウンド感ですね。あとは漠然と、基準は分からないけど「1枚目よりはいいものにする」という気持ちで作った感じです。

――今回アルバムに入らなかった曲もあると思うので、選曲基準はどのように選んでいったんですか?

たむらぱん:やっぱり2枚目とはいえ、「初めての人にも」という所も忘れずに。シングルも出してきて、代表曲みたいな所があるので入れつつも、聴いておいて欲しい雰囲気の部分は入れて。シングルを並べていった所で、全体のバランスを考えて曲を抜き差ししました。

――曲順はすんなりと決まりましたか?

たむらぱん:いや。結構、色々あって(笑)。スタッフみんなで黒板に書いて、「せーの!」で発表したら、全員バラバラみたいなのもあったんですけど、その中でもやっぱり統一しているような所があって採用したり。だけど曲順って毎回、正解が分からないというか。「シャッフルされたら終わりじゃん!」みたいな所もあるじゃないですか(笑)。でも、そうじゃない場合もとか色々考えて。ライブの曲順に近いと思うんですけど、そのくらい深刻というか、ちゃんと流れは考えているつもりなんですけど。