インタビュー:吉高由里子「究極の恋する女の子ってうらやましい」
2006年映画「紀子の食卓」でデビュー後、2008年に金原ひとみ原作、蜷川幸雄監督により映画化された「蛇にピアス」で映画初主演を務め、第28回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞した。その後も、「太陽と海の教室」(フジテレビ)、「ラブシャッフル」(TBS)など数々の話題作に出演。現在放映中のドラマ「白い春」(フジテレビ)でも光る芝居を魅せ、若手演技派女優として活躍の幅を広げている。今回、伊坂幸太郎による同名小説を実写映画化した「重力ピエロ」では事件の陰に現れる謎の美女・夏子を好演している。共演の加瀬亮、岡田将生とのエピソードや吉高ならではの気分転換方法に迫った。
――まず、台本を読んだ時の率直な感想を聞かせてください。
吉高由里子(以下、吉高):台本だけでこんなに面白いって思えたのは初めてだなぁと思うくらいしっかり書いてあって。これはどうやって演技していこうってちょっと悩みましたね。――原作はオファーが来た後に読みましたか?
吉高:そうですね、実は全然知らなかったです。「アヒルと鴨とコインロッカー」もDVDで見たので、伊坂さんの本にすごく興味持ちました。――夏子さんを演じるにあたって苦労した点はありますか?
吉高:“絶世の美人”っていうのが夏子さんの役柄で、その文字のプレッシャーにうわーってなりましたね。原作を読んでいる方に申し訳ないというか、どんな立ち振る舞いをすればいいのかとか全然分からなかったです。――夏子さんみたいな女性、ストーカーに近いほど一途に相手を思い続ける、女性をどう思いますか?
吉高:究極の恋する女の子ですよね。うらやましいな、と思います。そこまで人を想える心って。――共感はできますか?
吉高:私はそこまで人にのめり込んだことはないですね(笑)。――現場で印象に残っている思い出とかはありますか?
吉高:皆、地方疲れしていたなっていう。私がたまに東京から来て、撮影して、また東京に帰るっていう感じだったので、他のキャストの方に白い目で見られてました。「あぁ…東京の風を感じる」とか言って。――完成した作品を観て、1番気に入ってるシーンはありますか?
吉高:泉水と春の子供時代に、家族でサーカスを見ているシーンですね。「楽しくいれば、重力だって感じないんだよ」っていう、小日向さんが演じるお父さんの言葉が心に残りました。