日本での佐藤ルミナ戦(判定勝ち)に代表されるように、いまだビッグファイトでは、華麗なムーブは影を潜めたままだが、今回のライブ中継で一挙に異名であるSHOWTIMEらしい動きを披露できるか。対戦相手のペニングは、キャリア14勝3敗1分のファイターだが、このところの8戦では7勝1敗という高い勝率を誇っており、バスケスにとっても簡単な相手ではないが、ここはカリフォルニア・グラップラーの期待に応えるファイトを見せて欲しいものだ。

5試合予定されているライブ中継マッチで、バスケス同様、試合で魅せる動きが気になるのが同じくライト級の一戦、マライペット(タイ)とハワイアン、カレオ・クアンの一戦だ。
マライペットは、ムエタイのトップファイターとして活躍していたが、一昨年よりLA近郊のアップランドに移住、MMAに転向した生粋のタイ人ファイター。ムエタイを経験しているMMAファイターは多いが、タイでトップ級として活躍していたのは、日本の修斗のリングにあがるランバー・ソムデートと、このマライペット・サシプラハーの二人ぐらいだろう。
マライペットは既に米国で、タイ・クリンチという首相撲の教本DVDをセール。タックルに来た相手に、体を捻るようにジャンピング・クローズドガードで飛びつき、そのままマウントを奪うというムエタイとMMAの融合グラップリングを披露している。幼児用の絵本を買い、イチから英語をマスターしたという、実は努力家のマライペット。対戦相手のクァンは、ハワイのハードパンチャーということもあり、打撃決着が予想されるが、どのようなムエタイ・ムーブが見られるか、大いに注目されるところだ。

プロエリート・コムのストミーリング枠で行われる4試合では、二人のブラジル人ファイターに注目したい。ミドル級で7戦7勝のマット・ルーカスと対戦するジヴァ・サンタナ。2003年、柔術ワールドカップ=コパドムンド黒帯メイオペサード級で優勝、2005年のパンナム柔術では先日、UFCデビューを果たした柔術セレブことデミアン・マイアを下して、同じくメイオペサード級の王者に輝いている。MMA転向後も8戦8勝、7試合を腕十字で勝っているアームバー・マスターだ。今後、EXCのミドル級戦線で大いに浮上する可能性もあるジヴァ、サンパウロの名門ロータス柔術クラブの重鎮で現在はチーム・オーヤマの柔術コーチが、ようやくスポットライトを浴び始めた。