アパの耐震偽装問題で藤田社長は「緊急メッセージ」を発表

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   アパグループの京都市内の「アパヴィラホテル京都駅前」と「アパホテル京都駅堀川通」で構造計算書の偽装や強度不足が発覚し、京都市は2007年1月25日、このホテル2軒に使用禁止を勧告した。この物件を担当した建築士による偽装の危険性は、06年からイーホームズ藤田東吾社長によって指摘されてきたが、アパ側は否定し、藤田社長を告訴するとしていた。国土交通省も同じ建築士が関与したほかの物件を調査するよう関係自治体に要請し、耐震偽装問題はあらたな局面を迎えつつある。そんななか、藤田社長は勝利宣言とも取れる声明を発表した。

   今回、偽装が明らかになった物件は、民間指定確認検査機関のイーホームズ(現在は指定取消し)の藤田東吾社長が指摘したものとは別だが、アパ物件の構造計算を引き受けていた田村水落設計(富山市)の水落光男建築士が関わった物件が危険だとする主張は当たっていたことになる。実際、藤田社長は、2007年1月26日付スポーツ報知の紙面上で、「われわれが主張してきたことが、公に認められたのはうれしい」と発言している。

「建築確認を早く取るため構造計算書を偽装なんて、沢山いるよ」

   さらに藤田社長は07年1月26日午後、ブログ「きっこの日記」で声明を発表した。

「イーホームズは、アパの二つのマンション計画(『アパガーデンパレス成田駅前』と『アップルガーデン若葉駅前』)について、去年の二月から構造計算書の偽装を指摘してきましたので、この主張が明らかになった一端だと考えています。構造設計を行なった、田村水落設計事務所の代表、水落光男氏が、当社に申請した物件以外でも『偽装を行ってきた』と言明したことが証明されたと言うことです」

   とこれまでの主張が正しかったことを改めて強調した。

   J-CASTニュース有罪藤田社長 『爆弾発言』本当か」で報じたとおり、架空増資をしたとして電磁的公正証書原本不実記録などの罪で有罪判決を受けた06年10月18日、藤田社長は、水落光男氏について、

「イーホームズでは、平成18年2月に、アパグループのマンションの偽装を発見しました。アパのマンションやホテルの構造設計を一手に行なっていた、田村水落という設計事務所の水落代表がイーホームズに来社して、『こんな偽装の手法は、姉歯より俺が先に初めた』と豪語しました。『建築確認を早く取るために、構造設計にかける時間が少ないから構造計算書を偽装(改ざん)するなんて、他(の構造設計士)にも沢山いるよ』と平気で言いました。実際に、田村水落がイーホームズに申請をしていた3件の物件に偽装が発見できました」

   と発言。

アパは「今それどころではない」

   アパグループの物件に耐震偽装があることを指摘したほか、国交省がこの事実について隠蔽したなどと発言していた。これに対し、アパはJ-CASTニュースの取材に対し、藤田社長の発言を全面否定。他の物件についても偽装が行われた可能性を否定したうえ、

「(藤田被告の主張は)全く事実無根であり、弊社の社会的信用を著しく失墜させるものであり、同氏を名誉毀損で告訴することを検討しています」

   との声明まで発表していた。
   アパグループ社長室の担当者は、J-CASTニュースの取材に対し、

「あの発言は、自分(藤田社長)が(確認検査の業務を)受けたものについて発言しているものであって、今回の件とは別。現在は、今起こっている問題に対応しているので、それどころではない」

   と告訴した事実がないことと、現段階でそれが保留状態であることを明かした。ただ、「水落氏が担当した物件に偽装の疑いがあるとする指摘は正しかったのではないか」との問いには、

「現在調査中なので、それは分からない」

   と答えている。