Twitterで定期的に盛り上がる「昭和生まれっぽい発言をしろ」というハッシュタグ。もはや死語となった表現や、若い世代が知らないモノが投稿されるのですが、パソコン周辺機器メーカー直営ショッピングサイトの公式Twitterが投稿した「マウス掃除」ネタに、当時を懐かしむ人々からの反応が相次いでいます。

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 Twitterには、定期的に盛り上がる定番ネタのハッシュタグが存在します。そのひとつが「昭和生まれっぽい発言をしろ」。昭和世代なら知っているネタが投稿され、当時を懐かしんだり、逆に知らない世代が「こんなものがあったんだ」と驚いたりと、ある意味ジェネレーションギャップを楽しむハッシュタグです。

 2021年3月17日前後に、再度盛り上がりを見せたハッシュタグ「昭和生まれっぽい発言をしろ」。その中で、パソコン周辺機器メーカーのサンワサプライ株式会社直営ショッピングサイト、サンワダイレクト公式Twitterが投稿したネタが「マウスの動きがよくないなぁ」「ボールの中、掃除してる?」というもの。

 ツイートに添えられているのは、マウスの裏面からボールを取り出している画像。現在のマウスは「光学式」といって、光の反射でマウスの移動量を計測する仕組みですが、かつては「ボール式」といってマウスの裏面にあるボールがマウスの移動によって転がり、その動きをを縦軸・横軸を担当するローラーに伝達してロータリーエンコーダ(回転測定センサ)で読み取る、という方式でした。

 マウスのボールは表面がゴム製で、ゴムの特性上ホコリや汚れを吸着してしまう(消しゴムはこの特性を利用して鉛筆の黒鉛粒子を吸着して取り除くもの)ので、ボールの動きを読み取るローラーに汚れが巻き付いてしまう欠点がありました。ローラーに汚れが巻き付いてしまうとボールとの接触が悪くなり、マウスの動きをうまく読み取れなくなります。

 このため、定期的にボールを取り外し、ローラーに巻きついた汚れを取り除く「マウス掃除」が、ボール式マウスに不可欠なメンテナンスでした。面倒な作業ではありましたが、きれいに汚れが取れると気持ちよかったんですよね。

 サンワダイレクトさんがツイートに添えた画像のマウスは、1990年代〜2010年頃に販売していたNECのPC9801シリーズ用マウス「MA-401NE」。“コンフォートマウス”シリーズの商品で、コネクタ形状はミニDIN9pinオスとD-sub9pinオスのコンパチブル。USBはおろか、PS/2コネクタよりさらに以前のインターフェース規格です。

 このツイートには同業他社のエレコム公式アカウントのほか、当時の「マウス掃除」を知るTwitterユーザーからの反応が数多く寄せられています。マウスのボールは一見スーパーボールみたいに見えるけど、実はちょっと重いというリプライも。ボールにはちゃんと転がるよう、芯に金属球が使われてるんですよね……自分にあった使い心地を得られるよう、重量の異なるマウスボールも売られていましたっけ。

 また、トラックボール使いとっては今でも、という反応も。トラックボールはボールの存在が不可欠なだけに、手垢でボールが汚れて読み取り精度(現在はトラックボールも光学式センサでボールの動きを検知しています)が落ちてしまうので定期的な掃除が必要です。

 今となってはボール式はおろか、有線式のマウスもパソコンの付属品ではなくなり、マウスの語源(ケーブルがネズミの尻尾に見えることから)も分からない世代も増えてきつつあるのではないでしょうか。未来には「マウスって何?」ということになるのかもしれませんね。

<記事化協力>
サンワダイレクト公式Twitter(@sanwadirect)

(咲村珠樹)