樹木希林、内田裕也と「あの世では同居」 45年間の不思議な結婚生活
「俺も彼女も普通の人とは結婚できない。その2人が出会えたことを神様に感謝したい」――女優・樹木希林さんとの結婚にあたって、歌手・内田裕也さんが吐いた「名言」だ。
樹木さんと内田さんが結婚したのは、1973年のことである。内田さんの友人だった故・かまやつひろしさんと、樹木さんがドラマで共演したのが縁の始まりで、初デートの翌日に内田さんがプロポーズしたという超スピード婚だった。間もなく別居するが、2人は最後まで「夫婦」であり続けた。
内田さんが勝手に離婚届出したことも
その間、2人の間にはさまざまな事件があった。1981年には、内田さんが勝手に離婚届を提出し、そのままハワイへと「逃亡」してしまった。樹木さんは「戻ってきてほしい」と訴えたが内田さんは応じず、裁判までやった末に結局離婚は無効に。
その後、樹木さんが「同居」を持ちかけることもあったが、内田さんは応じずじまい。逆に、内田さんがさまざまなトラブルを起こしても、樹木さんが見捨てることはなかった。2011年に内田さんが、女性への強要容疑で逮捕された際には自ら会見に立っている。ただ、謝罪は本人からするべきとして、「私は頭を下げないでおきます」と樹木節も披露した(2011年5月13日付、スポニチ(ウェブ版))。
結果、40年以上に及ぶ「別居婚」生活が続くことになる。
2人がテレビ番組で珍しく共演したのは、2016年7月の「黒柳徹子だけが知っているTHEテレビ伝説60年史」でのことだ。樹木さんがかつて内田さんを「刺そう」と包丁を手にした、という物騒なエピソードから、一方で内田さんの「優しい」部分を明かすなど、丁々発止のやり取りが飛び交った。
樹木「ありがとう」内田「K・Kペースを崩さないで」
コーナー終盤、黒柳さんに「お互いに何か言っておきたいことは?」と水を向けられると、樹木さんは、
「すみませんでしたね、というのと、ありがとうございますという感じですね」
一方の内田さんは、
「まあ体に気を付けて、このK・K(樹木希林)ペースを崩さないで生きてほしい」
また樹木さんは2018年5月に朝日新聞で掲載されたインタビュー連載の中で、内田さんとの結婚生活について、「大変な思いもしたけれど、ああいう人とかかわったというのは、偶然じゃないという気がしてきた」といい、死後は自ら購入した「内田家の墓」に入ると明かしている。
「あの世では同居? そうね。でも骨だから。しゃべることはないから。ムカッとはしないでしょう」