ガラタサライの優勝に大きく貢献した長友は、大きな自信を手にしたようだ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 25日に日本代表合宿に合流した長友佑都が、「あの決断をして良かった」と自身のキャリアを振り返った。「あの決断」とは、今冬の移籍マーケット最終日に発表されたガラタサライ移籍のことだ。
 
 日本代表が誇る万能SBは今年1月31日、7年間を過ごしたイタリアのインテルを離れ、トルコのガラタサライにレンタル移籍。すると、新天地で瞬く間にレギュラーポジションを勝ち取り、15試合連続でスタメン出場を果たして、クラブの3年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。
 
「僕のキャリアの中で初めての優勝。最高の経験をさせてもらいました。大きな自信になりましたね」
 
 リーグタイトルの獲得は、自身にとっても初めての経験だ。感動の瞬間を笑顔で振り返った長友は、さらに「選手は信頼されてピッチの上に立って、そこで価値を示していくものだと改めて思いましたし、その信頼を監督、スタッフ、チームメイト、サポーターも含めてすべての人から感じました」とトルコでのキャリアへの充実感を述べた。また、優勝へのステップを駆け上がるなかで、勝者のメンテリティも感じたという。
 
「強いチームは一人ひとりの自信もそうだし、パーソナリティが違うなと思いました。ネガティブになりそうな時も、ミスが多い時とかも堂々としているし、ブレる選手があんまりいない。たとえ負けたとしても、常にみんな前を見ている。そういうところは、やっぱり勝つチームなんだなと。勝てるなという想いは感じながらプレーしていました」
 
 そして、そのメンタリティを、日本代表にも持ち込むつもりだ。
 
「良い時ばかりじゃないので、どんな時もどっしりとしているじゃないけど、上手くいかない時はボールを受けるのを怖がったり、不安や恐怖は出てきますけど、そんなの関係ないよというくらいのパーソナリティ持った選手がピッチのなかに11人いないと。そもそもワールドカップはもっとプレッシャーがかかりますからね」
 
 4月の電撃的な監督交代により、日本代表は一からの再構築を余儀なくされている。しかし、長友は現状を決して悲観してはいない。
 
「もちろん、雰囲気も変わっていくだろうし、それが本当に良い方向に進むように、僕自身もいろいろ経験してきた選手として、伝えていきたいなと思います」
 
 ワールドカップ初戦のコロンビア戦(6月19日)まで、すでに1か月を切った。この短期間でチームを作り上げなくてはならない西野ジャパンにとって、長友が手にした自信や勝者のメンタリティは、大きな手助けになりそうだ。

取材・文●五十嵐創(サッカーダイジェストweb)