サイドを完全に崩されて2失点目を献上し、厳しい表情を浮かべる長谷部。日本の現状を物語っている。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 現地時間3月27日にベルギーのリエージュで行なわれた国際親善試合で、日本はウクライナを相手に1-2と敗れた。
 
 4日前のマリ戦から7人の先発メンバーを入れ替えて臨んだ日本は、20分にヤロスラフ・ラキツキーのシュートが植田直通の頭をかすめて方向が変わり先制点を献上したが、41分に柴崎岳のFKから槙野智章が豪快ヘッドを決めて同点に追いついてみせた。
 
 しかし、後半は互角の戦いを演じながら決め手を欠いた日本。69分にイェヴヘン・コノプリャンカに右サイドを単独でで打開され、最後はオレクサンドル・カラファエフに勝ち越しのゴールを奪われてしまい、最後まで追いつくことができなかった。

 
 今回の欧州遠征を、1分け1敗の未勝利で終えることになったハリルジャパンの戦いぶりを、欧州メディアはどう評価したのか。東欧系の情報にも強いロシアの国営放送『BECTN』は、「素晴らしかった!」とウクライナの健闘を称えながら、日本についても論じている。
 
「スペインのマルベージャでサウジアラビアを相手に苦戦を強いられたウクライナは、ベルギーの地でサウジアラビアよりも遥かに強い日本から勝利を手にした。日本はとても手堅く、きちんと統率され、ペナルティーエリアにも素早く進入してきたが、フィニッシュの部分で明らかな欠陥を抱え、同じことを繰り返していた」
 
 日本に対して手厳しい見解を示したのは、ウクライナ・メディア『ISport』も同様だ。「ウクライナは対戦相手よりも遥かに面白い戦いをしていた」と評し、次のように続けた。
 
「アンドリー・シェフチェンコのチームは何度も日本の門を叩き続け、20分にラキツキーの鮮やかな一発で打ち破った。前半終了間際にトモアキ・マキノのゴールでネットを揺らされたものの、後半もウクライナは支配的で、日本はたまに反撃を仕掛けるのがやっとだった」
 
 ワールドカップ前の貴重なテストマッチで勝利を得られなかったサムライブルー。はたしてメンバー選考最後のゲームとなる5月30日ガーナ戦では、怪我のため今回の代表招集を見送られた吉田麻也や香川真司をはじめ、乾貴士、浅野拓磨、井手口陽介ら昨年までの常連組は復帰を果たすのか。メンバー選考も先が読めなくなってきた。

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